Photo by Maiko Morotani
こんにちは。理学療法士のまいこです。前回は、理学療法士がどんなことをするのかというお話をさせていただきました。今回はNさんに以前素朴に聞かれた質問について少し書かせていただきます。「日本人の方が外国人に比べて体は硬いイメージがする」というような疑問を持たれている人いませんか?
実は臨床的にみて日本人の方は白人や黒人の方に比べて非常に柔軟性が高いです。もちろん、個人差はあります。柔軟性の違いとして幾つか考えられる要素があります。
1.生活習慣:和式のトイレや正座、体育座りをする習慣など、日本人に特有の生活の動きはアメリカで育ってきた人たちには非常に難しい動作なのです。アメリカやヨーロッパでは股関節の問題は鼡径部(そけいぶ、股関節の前の部分)に多く見られますが、日本では股関節の問題は鼡径部と臀部(股関節の後ろの部分)にも怪我がよく見られます。日常繰り返し行われる動きが、いずれは怪我につながるという概念と一致しています。
私がクリニックで治療している患者さんの結果を見ても、膝の全置換手術(人工膝)の手術後の結果は、やはり日本人の膝の方が外国人に比べて早いです。まっすぐの角度と曲がる角度の治るスピードは日頃からしっかりと伸ばし曲げている人の方が術後もよくなります。
2.コラーゲン:人間の体を構成しているタンパク質の中で一番多く見られるのがコラーゲン、体のタンパク質のうち約25−35%はコラーゲンだそうです。皮膚はもちろん、筋肉と骨をつなげる腱や骨と骨をつなげる靭帯にもコラーゲンはたくさん含まれています。文献やテキストを見てみると、アジア系の人は黒人や白人に比べてコラーゲンの量が多いそうです。
3.食事?日本人の食生活が柔軟性とどう関わっているのかは、私の専門知識外のトピックですが最近栄養について少しずつ勉強し始めています。神経や筋肉、骨格などは人間の動きに直接かかわっていますが、体をサポートしている栄養も運動に非常に密に関わっていますよね。興味深い分野です。
柔軟性が高いからいいというわけではありません。変形性関節症(いわゆるarthritis, osteoarthritis)が発展してしまう原因は、実は一つの関節で動き過ぎてしまっているからなのです。薄い金属のプレートを同じ部分でグニャグニャ曲げていると、いずれはポキっと折れてしまいますよね。動き過ぎている部分はストレスが過剰にかかり、炎症を起こしたり怪我につながったり、いずれは動かなくなってしまいます。それじゃ、硬い方がいいのでは?体のある一部が硬すぎると、お隣の関節が代わりに動こうとしてしまい、そのお隣さんの関節に支障をきたします。ですから、バランスよく柔軟性が取れていることが一番大事なのです!どういう風に柔軟性のバランスを取ればいいのでしょうか?お近くの理学療法士にお問い合わせください!(^_^)/
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source : アメリカ・テニス日記 from ロサンゼルス・カリフォルニア