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2017年11月12日日曜日

ツアーファイナルズ2017 展望予想

お久しぶりです。前回の更新から1年以上経ちますね。とりあえずツアーは追っていたので、勘が鈍っていないことを祈りつつ展望予想をしていきたいと思います。

まずはツアーファイナルズの簡単な解説です。

大会はまず8人の選手を2つのグループに分け、「ラウンドロビン」と呼ばれる総当たりのリーグ戦を行います。
そして各リーグの上位2名、計4名が決勝トーナメントに進出します。

選手8名を2つのグループに分ける際は、ランキング1位と2位、3位と4位、5位と6位、7位と8位の選手をそれぞれランダムに振り分けます。今年のリーグ表を見てみましょう。

グループ ピート・サンプラス

[1]ナダル
[4]ティエム
[6]ディミトロフ
[7]ゴフィン

グループ ボリス・ベッカー

[2]フェデラー
[3]ズべレフ
[5]チリッチ
[8]ソック

今年もグループ名はレジェンド選手からとられています。

[ ]内の数字がランキング順位で、1位のナダルと2位のフェデラーが別々のグループに入っているのと同様に、8位のソックも7位のゴフィンとは別のグループに振り分けられています。

各リーグで総当たり戦を行いそれぞれの上位2名を決定するのですが、その主な基準は以下の通りです。

・勝利数の多い上位2名

・勝利数で並ぶ選手が2名の場合は直接対決で勝利したほうが優先

・3名の勝利数が並んだ場合
  (i)  セット獲得率の高い順
 それでも決まらない場合は
  (ii) ゲーム獲得率の高い順

細かい基準はまだまだあるのですが、基本的にはこのような基準で決めていくと考えて問題ないと思います。
結論としては、「勝つならストレートで、負けるならフルセットで」が原則です(勝利数で並んだ際にセット獲得率とゲーム獲得率で優位に立てる)。 
 

ファイナルズについての基本的な解説はこの程度にしておいて、今年の展望予想に移ります。
各グループから勝ち上がるそれぞれ上位2名の予想を挙げておきます。

グループ ピート・サンプラス

1位通過 ナダル
2位通過 ディミトロフ

グループ ボリス・ベッカー

1位通過 フェデラー
2位通過 チリッチ

まずはグループ ピート・サンプラスの詳細から

こちらは混戦が予想されます。
ファイナルズ初優勝を狙うナダルは膝の故障で前哨戦のパリを途中棄権。現在も100%の状態ではないようです。実力としては抜きん出ているので、膝の状態次第としか言えません。
ティエムですが、全米後は3大会連続で初戦敗退を繰り返し、パリでもベルダスコにストレート負けを喫しました。今年はローマでナダルを、全仏でジョコビッチを下し、間違いなく力はあるのですが、まだまだ粗さが目立ちます。
続いてゴフィンですが、このファイナルズを勝ち抜くにはもう少し攻撃のバリエーションが欲しいところです。よく言えば安定的、悪く言えば単調なゴフィンのテニスは、しばしばトップ選手の餌食になってきました。早い展開に持ち込むフェデラーに対して明らかに苦戦しているのがその一例です。決して甘いボールを打っているわけではないので、球足の遅いファイナルズのコートではうまく噛み合うかもしれません。昨年は大会を途中棄権したモンフィスに代わって1試合のみ出場しているので、その経験を活かしたいところです。
ディミトロフは完全な初出場になります。実は2014年にも補欠として現地入りする予定だったのですが、その権利を放棄して当時交際していたシャラポワとデートへ。錦織のラウンドロビン第3試合、ラオニッチが棄権したため急遽フェレールとの対戦になりましたが、本来はディミトロフとの対戦になるはずだったのです。初出場というのはやや不利ですが、ここ最近も比較的好調を維持しており、そしてナダルに対しても充分勝つ可能性があります。今年3回あったナダルとの対戦は、全てフルセットでした。過去の対戦成績はディミトロフの1勝10敗ですが、どちらが勝ってもおかしくないと思います。


続いてグループ ボリス・ベッカーです

このグループはフェデラーが優位でしょう。2010年から2015年まで全て決勝トーナメントに進出しており、得意な大会であることは明らかです。パリは欠場しましたが、マレーとのエキシビジョンマッチに登場するなど、快調ぶりをアピールしています。
チリッチも14年と16年に次ぐ3回目の出場です。決勝トーナメントに進出した経験はありませんが、マレーやジョコビッチ、ワウリンカのいない今大会は大きなチャンスです。まずは初戦のズべレフ戦が鍵になるでしょう。
逆にズべレフとソックは初出場になります。特にソックはパリで大逆転の最終戦出場を決めており、今大会もダークホース的存在です。
ズべレフは期待に応えたいところ。今年はマスターズ初タイトルを手にするなど躍進しましたが、グランドスラムでは思うような成績を残せませんでした。ここ最近も調子が噛み合っているとは言い難く、やや不安を残しています。3勝1敗で勝ち越しているチリッチとの初戦が鍵になります。

注目はズべレフ対チリッチの初戦です。この試合を制した方が決勝トーナメントに大きく前進するでしょう。


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年8月23日火曜日

チャレンジシステムを支えるエンジニア その活動に迫る

今や試合には欠かせない存在となったチャレンジシステム。

それを支えているのが、世界中を飛び回る数十名のエンジニアだということをご存知でしょうか。

今回はチャレンジシステムの仕組みを軽く解説した後、その技術を支えるエンジニアの活動を紹介したり、ハイスピードカメラが捉えたボールの動きなど、興味深い内容に触れていきたいと思います。

チャレンジシステム(ホークアイシステム)の仕組み

それほど難しい理屈ではありません。
コート上に10台のハイスピードカメラを設置し、それぞれのカメラが捉えた映像からボールの軌道を計算してコンピューター上で再現します。

それぞれのカメラが捉えた2D映像から3Dの軌道を作成するプログラムが複雑なのであって、カメラ自体に何か特殊な機能が付いているわけではありません

この技術は「ホークアイシステム」と呼ばれ、チャレンジシステムはこの技術を使っているのです。

ホークアイシステムは常にボールの動きを捉え、さらには選手の動きまでも記録します。
テレビ中継の際に表示される以下のようなデータは、ホークアイシステムによるものなのです。


この他にもボールの回転数や選手が走った距離など、様々なことを知ることができます。

ホークアイシステムが記録する様々なデータ。
その中から、審判による判定を確かめるため、ほんの数秒間のボールの軌道をスクリーンに映し出すのがチャレンジシステムなのです。

ちなみに、Hawk-Eye Innovations という会社がこのホークアイシステムを開発、運用しています。

大会数日前から現地入りするエンジニア


ハイスピードカメラは1年中コートに常設されているわけではありません。
大会数日前にHawk-Eye Innovationsのシステムエンジニアが設置し、大会終了後には撤去されます

彼らは数十人で1つのチームを組み、世界中を回っているのです。

エンジニアはカメラを設置するだけでなく、様々な微調整やテストを繰り返して大会に備えます。

その様子が下の動画の中盤(50秒~)で紹介されています。




まずはラインにメジャーを当てて距離を測っていますが、何かおかしいと思いませんか。
そもそもラインの長さはしっかりと規定されています。
それをわざわざ測定するのはなぜなのでしょうか。

これはそれぞれのコートのわずかな歪み、ラインの塗装のずれを把握し、チャレンジシステムの精度をできるだけ高めるために行うのです。、
特にウィンブルドンではグラスコートということもあり、この測定の重要性が増します。

次はボールをコート上に並べていますが、これは夜間のライトアップされたコートを想定して調整しているのです。
ライトアップされた状態では当然ボールにも光が当たります。
もちろん均一に当たるわけではありませんから、微妙な影ができたりします。
それを約70個ものボールを使って事前に調べておくことで、精度を極限まで高めているのです。

動画では紹介されていませんが、昼間の影や風なども含めて調整が行われています。

こうした綿密な調整と技術的進歩のおかげで、かつては平均3.6mmだった、コンピューターでの再現と実際のボールの軌道の誤差は、現在では平均2.6mmにまで抑えられています


動画の後半では試合中エンジニアが待機するコントロールルームの様子が映し出されています。

全てのボールの軌道が画面に映し出されていたり、スコアを記録したりと、様々なモニタリングが行われています。
このモニタリングが充実したテレビ中継を支えているのです。

ハイスピードカメラが捉えたボールの動き


ボールがライン際でどのような動きをしているのか、それを映した画像がHawk-Eye Innovationsの公式サイトで紹介されています。

以下はこちらのpdfに掲載されている画像です

1000fps(1秒間に1000コマ)のハイスピードカメラで撮影したボールの動きです

① ボールが地面に触れる直前
hawkeye2
 

② ボールが地面(ライン)に触れた瞬間
hawkeye3
 
③ ②の画像からコンマ数秒後
hawkeye4
 
②の画像で地面に触れているボールは、③の画像でも接触したままです。
つまり、②地面と接触→③触れながら滑っていく→バウンドして地面から離れる、という動きをしているのです。

僅かコンマ数秒の間のこの動き、1000fpsというハイスピードカメラなら捉えられますが、テレビ中継用のカメラ(約30fps)ではそうもいきません。

また、チャレンジシステムの際にスクリーンに映し出されるではボールとコートの接地面がグレーで表現されていて、細長い跡になっているのが分かると思います。

跡が細長くなる理由はもちろん、"ボールがコートに触れながら滑っていく" という過程があるからです。

"ボールがコートにぶつかって潰れるから" という根拠もときどき見かけますが、そうであればボールはほぼ均一に潰れて細長くはなりませんから、その影響は僅かだと考えられます。


いかがでしたでしょうか。
次回はチャレンジシステムのルールについて取り上げたいと思います。


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年7月10日日曜日

果てしなく長いグランドスラム初制覇への道のり ベルディヒ編

関連記事
"錦織はグランドスラムタイトルを獲れない"という風潮に対して



勝つための武器は充分揃っているのに勝てない


ベルディヒの問題点を端的に表すとしたらこういうことでしょう。

「格下には滅法強い」、「トップ10リトマス試験紙」、「空気」など、現在では少々揶揄されている感が否めないベルディヒですが、数年前、頭角を現し始めた時には新たなスターとして非常に話題になりました。

2004年オリンピック2回戦で初対戦のフェデラーに勝利。
2010年のウィンブルドン準々決勝でもフェデラーに勝利し、準決勝ではジョコビッチも下しました。
ナダルに対しては初対戦(クレー)こそ敗れるものの、その後はハードコートで3連勝し、一時期勝ち越していた時期もありました。
マレーに対しても同様です。一時期は勝ち越していました。 

評価すべきは3セットマッチだけでなく、番狂わせが起きにくいとされる5セットマッチでも勝利経験があることです。
そう、ベルディヒはビッグ4全員にグランドスラムで勝利したことのある数少ない選手の1人なのです。

マスターズ優勝経験あり、全てのグランドスラムで準決勝進出の経験あり、シングルス通算12回の優勝、デビスカップ優勝2回、という成績からも並大抵の選手でないことは明らかでしょう。

ところが、ここ数年はビッグ4を含めたトップ選手に対し連敗を重ねているのが現実です。

ジョコビッチには通算2勝24敗、マレーには6勝9敗、フェデラーには6勝16敗、ナダルには4勝19敗ということで、相手がビック4であることを考えれば、必ずしも悪い成績だとは言えませんが、問題は近年の成績です。

ナダルに対して一時期17連敗ということが話題になりましたが、ジョコビッチに対しても現在11連敗中、マレーに対しても5連敗中、フェデラーに対しても5連敗中と、ここ数年はほとんど勝てていません。

先ほども言いましたが、番狂わせが起きにくいグランドスラムで勝利していること、なおかつ複数回の勝利経験があることから、偶然勝てたという見方をすべきではないでしょう。

その実力は本物です。

ボールを高く上げるトスから放つサーブは充分な球速があり、フラット系のストロークは威力だけでなく精度も兼ね備えています。
ネットプレーも積極的に選択するわけではないですが、前に出るべき時はしっかり出て、ボレーもきっちり決めます。
特記すべき技術的な欠点もあまりなく、冒頭の「勝つための武器は充分揃っているのに勝てない」という結論に達します。

ダブルベーグル(ゲームカウント0-6,0-6)で敗れた先日のローマでのゴフィン戦がその象徴でしょう、

トップ選手同士の試合でもベーグル(1セットだけ0-6)というのは時々あります。
2012年のシンシナティ決勝、フェデラー対ジョコビッチ戦も第1セットはフェデラーが0-6で先取しました。
この試合、第1セットのジョコビッチはダブルフォルトを連発するなど、明らかに精彩を欠いていました。

それでも第2セットでは修正し、タイブレークで競り負けてフェデラーの勝利に終わるものの、ダブルベーグルとはなりませんでした。

トップ選手なら例え1セット目の内容が悪くてもその後のセットで修正できる、ということです。
これは「5セットのグランドスラムでは番狂わせが起きにくい」とされる理由の一つでもあります。

ダブルベーグルというのはトップ選手対ランキング100位程度の選手の試合ですら珍しいことです。
それを経験豊富かつ技術的にもトップ10選手として胸を張れるベルディヒが食らったのですから話題になるのは当然です。

もちろん、ベルディヒもこの状況に長年甘んじてきたわけではありません。


自分を根本的に変えてくれる人物に出会うべく、ベルディヒは2014年10月、とあるレジェンド選手とコンタクトを取ります。

それが2012年から約2年間に渡ってマレーのコーチを務めていたイワン・レンドルでした。

今後紹介しますが、グランドスラムの決勝に4度進出しながらも優勝経験がなかったマレーは、レベルの差はあるにしてもベルディヒと同じく「武器は揃っているのに勝てない」選手でした。

そんなマレーにグランドスラムタイトルをもたらしたレンドル。
彼にコーチを依頼する、というのはベストな選択肢だったでしょう。

ベルディヒとレンドルがともにチェコ出身であることも2人の強い結束を期待させました。

しかし、レンドルはこのオファーを断ります。
選手とともに1年中ツアーを回ることで私生活に影響が出ることを良しとしなかったのです。

一方、レンドルの退任後に元女子テニス世界ランキング1位のアメリー・モレスモにコーチを依頼したマレー。
女性コーチに男子テニス選手の指導が務まるのか疑問の声が上がり、事実、モレスモとの関係がスタートした2014年は不本意な成績が続きました
それでも、マレーは前年に受けた腰の手術からの復帰が上手く行っていないと釈明し、モレスモの指導に問題は無いことを強調しました。

しかし、これが原因となってマレーのもとから2人のメンバーが去ることになります。
それがアシスタントコーチのダニ・バルベルドゥとフィジカルトレーナーのジェズ・グリーンです。

特にダニはマレーが10代の頃からの友人でもあり、技術的なことよりも戦術面やその立場を活かしたアドバイスをすることが多かったようです。

2人はレンドルとともにマレーをサポートしていた、まさにレンドルの考え方を継ぐ者たちでした。

したがって、レンドルの指導法からの転換を図ろうとするモレスモとはやや対立関係にあったのです。

結果が出ないにも関わらず、マレーがモレスモ擁護の立場だったこともあり、ついに2人はチームを去ることになったのです。

その後、ダニをコーチとして迎え入れたのがベルディヒでした。

レンドルから直接指導を受けることは叶わなかったものの、ダニの存在は間違いなくベルディヒにとってプラスでした。

ダニと共にスタートした2015年、全豪オープン準々決勝では当時17連敗中だったナダルをストレートで下します。(この試合、第2セットはベルディヒがベーグルで取っています)
続く準決勝でマレーに敗れるものの、その後は全仏オープンでツォンガに敗れるまでトップ11以下の選手には一度も負けませんでした

この驚異的な安定感で全仏直前のレースランキングは3位、エントリーランキングでも4位という絶好の状態でした。

しかし、この後が続かなかった。
芝のハレではカルロビッチに3セットで45本ものサービスエースを決められ敗戦。
ウィンブルドンではシモンに、全米ではガスケに敗れ、深センオープン(ATP250)での優勝があったものの、ツアーファイナルズでは3戦全敗でした。

ダニの指導の下でも「トップ10選手に勝てない」状況が改善されなかったベルディヒは、ついに今年、ゴフィンにダブルベーグルを食らった直後、ダニを解任することを決定しました

ちなみに、2年前にベルディヒのオファーを断ったレンドルは、その後アメリカの若手強化プログラムにコーチとして参加。
さらに、今年のウィンブルドンからは再びマレーとタッグを組んでいます。
レンドルに悪気はないでしょうが、ベルディヒとしては何ともやるせない気持ちでしょう。

30歳という年齢を考えても、残されたチャンスはあまり多くありません。
ベルディヒがここから盛り返すのか、それとも後退してしまうのか、あるいは現状を維持し続けるのか、いずれにしても、注目すべきであることに変わりはないと自分は思います。

ベルディヒの苦悩は錦織にとっても決して他人事ではないのですから


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年7月4日月曜日

"錦織はグランドスラムタイトルを獲れない"という風潮に対して

「錦織はグランドスラムタイトルを獲れない」

2014年全米オープンで準優勝を飾って以降、優勝はおろか準決勝にすら進めていない錦織に対して、一部でこのような意見が広がっているように感じます。

グランドスラムの前にマスターズのタイトルを、という目標もあと一歩のところまで来ていますが達成できておらず、この議論に拍車をかけています。

自分は「錦織はグランドスラムタイトルを獲れない」という意見を否定するつもりは全くありません
これは完全に個人の意見でしょうし、現在の成績を顧みればこのような意見が出てくるのは当然とも言えます。
逆に、「いつかは必ずグランドスラムタイトルを獲れる」という意見が出てくるのも自然なことでしょう

もちろん、こうした意見が「一部で広がっている」ということ自体、単なる自分の思い込みかもしれません

しかし、 錦織は決して特別な存在ではない、ということだけは忘れないでください。

錦織と同じく、グランドスラムタイトルを期待されながらもなかなか手が届かなかった選手、あるいは、未だに届いていない選手。

例えばマレー、ワウリンカ、ベルディヒ、フェレール、ツォンガ、そして、ジョコビッチもその一人でしょう。

彼らも様々な壁にぶつかりながらそれを乗り越え、そして新たな壁に挑んでいます。

しかし、マスコミはそれを充分に取り上げてきたでしょうか。

ビッグ4時代があったこと、グランドスラムタイトルが数年間に渡って4人に独占されたことを踏まえ、グランドスラムタイトルを獲ることがいかに難しいかということはある程度伝えていたと思います。

ですが、それだけでは不充分だったと自分は思います。

ビッグ4に、あるいはフェデラーとナダルの2強に挑んだ選手達の軌跡に注目してこそ、錦織の挑んでいる壁がどれほど厳しいものかというのが分かるはずです。

そして、それを乗り越えた選手がいればそうでない選手もいる、ということも改めて意識できるはずです。

その上で、錦織はグランドスラムタイトルを獲れるのかという議論に移るべきではないでしょうか

という訳で、次回からは「果てしなく長いグランドスラム初制覇への道のり」と題して、様々な選手の現在までをたどっていきます

例えばマレーです。
2012年全米でグランドスラム初タイトルを手にしましたが、初のグランドスラム決勝進出は2008年の全米までさかのぼります。
「マレーはグランドスラムタイトルを獲れない」という意見は2009年頃からささやかれていたのです。

そしてベルディヒ。
彼もまた、初のグランドスラム決勝進出は2010年のウィンブルドンまでさかのぼります
しかし、その後は準決勝進出が最高成績で、決勝の舞台には上がれていないのです。
ここがマレーとの決定的な違いでしょう。

錦織は今、マレーになれるか、それともベルディヒになるかの瀬戸際にいると自分は思います。
決してベルディヒを軽く見ている訳ではありません。

グランドスラムでビッグ4全員に勝利したことがあり、3セットマッチでも複数回の勝利経験があるベルディヒ
それにもかかわらずグランドスラムを獲れていない彼の現在までを振り返ることは、間違いなく意義のあることだと思います。

初回はベルディヒ、第2回はマレー、その後もフェレールやワウリンカ、ツォンガなど、自分の知識の中で可能な限り多くの選手に触れていきたいと思います。

ウィキ〇ディアを見れば分かることだ、と思われないよう全力を尽くしますのでどうぞご期待ください。


ここから先はマスコミに対する批判をもう少しだけ。

グランドスラムタイトルに対する報道が不充分だったと批判しましたが、自分が最も警鐘を鳴らしたいのが、マスコミの「錦織特別視」です。

2014年全米。
決勝に進出した錦織とチリッチの試合を前に、マスコミは口々に「錦織有利」をアピールしました。
その根拠が、チリッチは格下で、過去の対戦成績も錦織がリードしているというものでした。

決勝まであのような勝ち上がり方をした2人に格上、格下の議論は無意味だったということは以前も言いましたが、これはまだまだ序の口でした

その後のグランドスラムでは毎度のように「錦織優勝のチャンスあり」との報道がなされ、その根拠は大会1か月前の段階でのオッズであったり、日本人のテニス関係者1人に対するインタビューであったり、挙句の果てには「怪我をしていることが逆に有利にはたらく」などという無茶苦茶なものまでありました。

こうした一種の偏見報道が、数多くの人に「錦織は特別だ」という意識を作り出した気がしてなりません
何より怖いのは、こうした意識を持った状態で「錦織敗戦」の事実を知った人が「錦織は大したことない」という結論に至ってしまうことです。

自分がブログを始めたのはこのようなことを危惧したからでした。
しかし、今までを振り返ってみるとその信念に沿って活動していたか、自分でも疑問です。

そこで今後の活動方針についてです。

多忙によってツアーを満足に追えていないこともあり、各大会の展望予想とランキング試算についてはしばらくの間休止とさせていただきます。

今後は先ほど紹介した「果てしなく長いグランドスラム初制覇への道のり」を始め、「チャレンジシステムの仕組みとホークアイ」の続編、マッチスタッツについてなど、ツアーに関係なく書けるものを取り上げたいと思います。

ランキング試算などはかなりの需要があることも重々承知していますが、今一度原点に立ち返る覚悟で優先順位をつけさせていただきました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


 


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年6月2日木曜日

[ウィンブルドン2016 シード争い]Race to Wimbledon

全仏オープン大会期間中ですが、気になるウィンブルドンのシードについてです。

ウィンブルドンは他の大会と違い、過去の芝大会での成績も考慮してシードを決定します。
具体的な決め方を確認してみましょう。

① ウィンブルドン開催前週のエントリーランキングポイント(今年は2016/6/20更新のランキングポイント)
② 過去12ヶ月の芝大会で獲得した全てのポイント
③ ②からさらにさかのぼって過去12ヶ月の芝大会で獲得した最高ポイントの75% 


上記の①から③の全てのポイントを合計し、その合計ポイントでシードを決定します。

分かりにくい部分について補足します。

②と③が一体どの大会を対象としているのか
理解しにくいと思いますので、書き出してみました。
表記が英語なのはご了承下さい。
 

② 以下の大会で獲得した全てのポイントの100%

2015
Nottingham
Wimbledon
Newport

2016
Stuttgart
s-Hertogenbosch
Halle 
London

③ 以下の大会で獲得したポイントのうち、最も多いポイントの75%

2014
s-Hertogenbosch
Eastbourne
Wimbledon
Newport 

2015
s-Hertogenbosch
Stuttgart
London
Halle 

錦織の場合は②が2015年のウィンブルドンで獲得した45ポイントと、今後出場予定の2016年Halleで獲得したポイントの合計になります。
③は2014年のウィンブルドンと2015年のHalleがどちらも180ポイントですが、どちらか1大会だけが対象なので180×0.75= 135ポイントです。

 
ここまで読んでお気づきの通り、結構面倒な計算が必要なのでトップ10までしか試算できていませんが、画像の"Race to Wimbledon"の欄が全仏オープン4回戦終了時での①から③までの合計点です。

race to wb

「75%」の欄が③、「100%」の欄が②に該当します。
説明が長くなるので深くは触れませんが、昨年の大会の失効ポイントも計算してあるので、これよりもポイントが減ることはありません。

よって現在5位のワウリンカと1000ポイント近い差がある錦織は今年のHalle(ATP500)で優勝しても届きません
上位選手の欠場が無い限り、ウィンブルドンは最高第6シードでの出場となります。
 
明日以降、最新の試算はランキングサイトで公開していく予定です。

ランキングサイトでは現在アンケートを実施しています。
4つの必須項目は全て選択式で、すぐにお答えいただけます。
既に参考になる意見(配色についてや選手検索機能の必要性について)もいくつか頂いています。
すぐに反映、という訳にはいきませんが、全てのご意見を真摯に受け止め、さらなる改善を目指しますのでご協力をお願いいたします。




source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年5月21日土曜日

全仏オープン 2016 ドロー解説 (展望予想)

久々の大会展望予想です。

以前はベスト8までの予想しか出していませんでしたが、今回は思い切って優勝まで書きたいと思います。

優勝 マレー
準優勝 ジョコビッチ
ベスト4 ナダル シモン
ベスト8 フェレール ツォンガ ワウリンカ 錦織
ダークホース コリッチ 


だいぶ思い切りましたが、もちろん根拠はあります。
これは決してマレー躍進の予想ではなく、むしろナダル躍進の予想です。

現時点で、ジョコビッチを倒すには何人かで体力を削り、決勝で仕留める、という方法しかないと考えるべきです。
そして、その役を一手に引き受けてくれると期待しているのがナダルなのです。

ナダルはローマではストレートでジョコビッチに敗れましたが、正直1セットも取れなかったのが不思議な展開でした。
あと少しの差が縮まればかなりの接戦になるでしょうし、実際ここ数戦ではスコアからは考えられないほど長時間に渡った試合もあります。

マレーも準決勝までに体力を削られる可能性はいくらでもありますが、ボトムハーフの方が日程が1日早いので若干優位に立てるだろうという予想です。
準決勝は同日なので何とも言えませんが。

ジョコビッチがイージードローだと随所で言われていて、自分もそう思いますが、ここまで楽なドローだと正直何かが起こりそうな予感がします。
昨年のように準決勝が日没順延になるだとか、そういった類のことです。あくまで勘ですが。

シモンをベスト4に挙げた理由ですが、まず、やはり地元の利はあるので準々決勝までは来るだろうということです。
実際、昨年も前哨戦となるマスターズの成績は良くありませんでしたが、全仏ではしっかり勝ち上がりました
今年もその再現を果たし、今週決勝まで戦って体力的に厳しくなったワウリンカに競り勝つ、という予想です。

錦織はやはりマレー戦が厳しいかと。
マレーが比較的イージードローなのと錦織の4回戦が厳しいだろうということで、競り負けるという予想です。
実際マレーは今年もクレーで好調ですし、ナダルとジョコビッチを下したことで自信も持っているでしょう。

以下はさらに詳細な解説です。

ドローを4ブロックに分けて解説していきます。
[  ] 内の数字はシード順位です。

①ジョコビッチ ブロック
 
[1]ジョコビッチ
イェンシュン
予選通過者
予選通過者
予選通過者
ベデネ
カレノ=ブスタ
[31]デルボニス

[20]トミック
ベイカー
コリッチ
フリッツ
マシュー
ヒラルド
ツルスノフ
[14]バウティスタ=アグト

[11]フェレール
ドンスコイ
イストミン
モナコ
エストレラ=ブルゴス
マーチェンコ
ファッビアーノ
[21]ロペス

[25]クエバス
予選通過者
チェン
アリス
ジャジリ
マイヤー
ポスピシル
[7]ベルディヒ

昨年惜しくも準優勝に終わったジョコビッチはビッグチャンス到来です。

2回戦が予選通過者との対戦となるなど、序盤は比較的リスクの少ないドローになりました。

最初の注目はレースランキングで上位に食い込みつつある[31]デルボニス。
インディアンウェルズではマレーをフルセットで下しました。
勝敗は別として、ジョコビッチがストレートでしっかり切り抜けられるかどうか注目です。

ブリズベンで錦織を下した[20]トミックは最近下降気味、というか明らかに落ちています。
ブリズベンや全豪などシーズン序盤は絶好調で、クレーシーズンに入って調子を落とす、というのがトミックの典型的なパターンなのですが、今年はその傾向がさらに顕著になっています。

そうなると注目なのがコリッチ対フリッツのNext Gen 対決。
Next GenというのはATP公式お墨付きの注目若手選手なのですが、詳しくは今後特集を組もうと思います。

特に今年に入って一気にランキングを上げてきた期待のフリッツですが、今年はクレーで未勝利。
出場したクレー大会はともにステパネクに敗戦、ということでステパネクが苦手で済めば良いですが、コリッチの方が状態が良い、と言わざるを得ないと思います。

この戦いを制した方が、トミック対ベイカーの勝者も下してくるのではないか、というのが自分の予想です。

[14]バウティスタ=アグトもクレーシーズンに入って下降気味。
マドリードではジョコビッチに歯が立たなかったうえ、格下選手に対する苦戦や取りこぼしも見受けられます。

近頃は相次ぐ故障に悩まされている[11]フェレールはクレーコーターとしての意地を見せたいところ。
ローマでアンダーソンとワウリンカを下したモナコが気がかりですが、こちらも故障明け。
[21]ロペスもスペイン人ながらクレーコートを大の苦手としているので勝ち上がってきても組みやすい相手でしょう。

ローマではゴフィンにまさかのダブルベーグルを食らった[7]ベルディヒは未知数。
モンテカルロでも初戦敗退を喫していましたが、マドリードではフェレールにストレート勝ちでした。
3回戦ではクレーコーターのクエバスとの可能性がありますがどうなるか。
特に最近のクエバスは勝ち負けにかかわらず、上位選手相手にもフルセットに持ち込む粘り強さがあるので要注意です。


②ナダル ブロック

[4]ナダル
グロス
バグニス
予選通過者
マウ
べランキス
グラノリェルス
[32]フォニーニ

[18]アンダーソン
ロベール
ズべレフ
エルベール
デ・バッカー
ガルシア=ロペス
セルバンテス
[13]ティエム

[12]ゴフィン
Gregoire
ロレンチ
予選通過者
ラム
ベズリー
アルマグロ
[24]コールシュライバー

[26]ソウザ
ジュムホール
セッピ
グルビス
ミュラー
バグダティス
予選通過者
[6]ツォンガ


ナダルは厳しい、というか嫌なドローになりました。

1、2回戦は問題ないでしょう。ここはさっくり切り抜けたいところ。
問題は3回戦で可能性のあるフォニーニ。

過去クレーで2度ナダルを下しているだけでも充分脅威ですが、それだけではありません。
フォニーニの怖さは予測できないハイパフォーマンスにあります。

昨年の全米オープンでフルセットの上ナダルを下したことはあまりにも有名ですが、フォニーニはなんとシーズンのハードコート成績0勝7敗で全米に乗り込んでいました
つまり、1回戦で2015年でのハードコート初勝利を飾り、3回戦でナダルを倒したのです。

直近のクレーでナダルが勝ったという事実などフォニーニの前では無きに等しいものです。
ただし、フォニーニが最高の状態であっても接戦になるのがせいぜいでしょう。
今年のクレーコートシーズンで躍動するナダルなら問題ないと思いたいところです。

4回戦で有力なのは[13]ティエムかと思います。
最近ツアーに復帰したばかりの[18]アンダーソンは本調子とは言えず、ズべレフは今週決勝まで勝ち上がっていて体力的に厳しいなど、一見強者揃いのドローですが問題はないはずです。

[12]ゴフィンは微妙なドローに。

アルマグロ対[24]コールシュライバーの勝者と可能性のある3回戦が最初の山場かと。
アルマグロはクレーコーターとして有名ですがコールシュライバーも最近のクレーでは好調です。
この両者は五分五分か若干コールシュライバーが優位かと思っています。
なにせ最後の対戦が2013年までさかのぼるだけに、この対戦は1回戦注目のカードと言っていいでしょう。

地元期待の[6]ツォンガは故障明けで何とも言えません。
ドロー的にはまずまずの当たりを引いたとは思いますが、本人の調子が分からない現段階では難しいです。
地元の声援、というのが実際かなりの武器になり得るので4回戦までは勝ち上がってくると思いますが。 

ボトムハーフについては明日追記します。申し訳ありません。


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年5月19日木曜日

全仏オープン 2016 開幕前ポイント試算

明日はいよいよドロー発表ですが、その前にポイント試算を。
今週開催中の大会があるので、厳密には全仏のポイント試算とは言えないのですが、話がややこしくなるのでまずは単刀直入に。

下の画像の「暫定エントリー」という欄が、全仏オープン後に更新されるエントリーランキングに現時点で最も近いランキングです。
背景が黄色と緑に分かれていますが、詳しくは後ほど説明します。

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錦織はワウリンカと同点ですが、注意すべきは全仏開幕前までに差が広がる可能性があるということです。

順を追って説明していきます。
まずは現時点から全仏後までのランキング関連の日程を確認しましょう。
今週はジュネーブ・オープンやニース・オープン(ともにATP250)などが開催中です。

5/21(土) ジュネーブOPなど閉幕

5/22(日) 全仏オープン開幕 

5/23(月) 公式ランキング更新

5/30(月) 全仏オープン開催期間中のため公式ランキング更新はなし

6/ 5(日) 全仏オープン閉幕

6/ 6(月) 公式ランキング更新


昨年のジュネーブOPなどのポイントが失効し、今年のジュネーブOPなどのポイントが加算されるのが5/23更新のランキングです。

そして、5/23のランキングから昨年の全仏オープンのポイントが失効し、今年の全仏オープンのポイントが加算されるのが6/6更新のランキングです。

先ほどの画像のランキングは、現段階で試算した5/23更新のランキングポイントから昨年の全仏オープンのポイントを引いたものです。

ワウリンカは今週出場しているジュネーブで勝ち進んでいる最中のため、5/23までにポイントをさらに増やすことができます
具体的には、ジュネーブで準決勝に進出すれば先ほどのランキングで錦織と同点だったものが45ポイント差になります

その他にも、背景が緑の選手はワウリンカと同様に5/23までにポイントを増やせる選手です。

5/23更新のランキング試算・予測はランキング特化サイト(←クリックで移動します)で行っています。
ランキング特化サイトでは全仏大会期間中も連日最新の試算を公開予定ですのでどうぞご利用ください。

 
source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年5月12日木曜日

ホークアイに続く新技術 "SMART Production"が変えたテニス放送の常識

チャレンジシステムの仕組みについて解説していく「チャレンジシステムの仕組みとホークアイ」シリーズですが、「ホークアイシステム」をすでに知っている方も多いと思います。
では、そのホークアイシステムに次ぐ新たな技術、と言ったら何を思い浮かべるでしょうか

今回はHawk-Eye Innovationsが開発し,グランドスラムでも導入が進んでいる「SMART Production」を紹介したいと思います。


Hawk-Eye Innovationsとは

コート周辺に10台のハイスピードカメラを設置し、カメラがとらえた映像からボールの軌道をコンピューター上で再現したり、様々なデータを分析する「ホークアイシステム」を開発、運用している会社です。
チャレンジシステムもこのホークアイシステムを利用していますが、詳しいことは次回解説していきます。

このホークアイ・イノベーションズが開発し、2013年に実戦導入されたのが「SMART Production」です。
まずは下の動画をご覧ください。



カメラの動きに何か違和感はないでしょうか。
実は、使用されているどのカメラにもカメラマンはついていないのです

カメラは選手を識別し、選手の動きに合わせて自動的に台が回転することで画面内に選手を捉え続けるのです。
実際にカメラが動いている動画がこちら(25秒辺りです)。



仕組みをさらに詳しく紹介していきます。

選手を自動追尾する台の上に遠隔操作できるHDカメラを載せる。これをコート上に複数台設置する。
・ カメラをモニタリングしているスタッフは遠隔操作でズームやカメラの切り替えなどの操作を行う
・状況に応じてリプレイも流す。リプレイは再生スピードを自由に切り替えられる


SMART Productionの意義

果たしてこの技術が何の役に立つのか。
最も大きいのは、試合の放映に必要な人員を削減することです。

普通はカメラマンや映像処理係など5人程度の人員を必要とするのに対し、SMART Productionを使用すれば1人で運用できます。 

5人が1人になっただけでは物足りない気がしますが、グランドスラムなど大規模な大会では複数のコートで試合が同時進行していることが多々あります。
2コート同時なら10人必要だったのが2人に、4コート同時なら20人必要だったのが4人にまで削減できます。
これによってより多くの試合を放映できるようになり、コストも削減できます。


事実、2015年の全豪オープンでは6コートに、全仏オープンでは12コートにこのSMART Productionが導入されました。
何に対しても保守的なテニス界において、ここまで積極的に取り入れられていることからもその価値がうかがえます。

ちなみに、試合数の多い1回戦や2回戦で使用されるコートを優先しているため、センターコートなど規模の大きなコートではこれまで通りカメラマンがカメラを操作しています。

このSMART Productionがウィンブルドンや全米オープンでも導入されるのか。
アイディアとしては素晴らしいだけに、今後のさらなる普及が注目されます。


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年5月9日月曜日

[全仏シード争い]イタリア国際(ローマ)2016 ポイント試算

ポイント試算についてはこちらの新サイトで公開中です。
このページでは全仏のシード争いについて。

全仏のシードはローマ終了後のランキング(5/16付ランキング)を基に決められます。
ウィンブルドンは過去の芝での成績を考慮してシード順位を決定しますが、全仏の場合はランキング順位がそのままシード順位になります。

ジョコビッチについてはランキング2位以下とのポイント差が大きいため、既に第1シードが確定しています。
その他の選手についてもある程度は絞れるので、紹介していきます。

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画像は新サイトからの引用

第2シード争い マレー、フェデラー
ランキングはマレーが暫定2位。フェデラーがマレーを抜くには最低でも決勝進出が必要です。
マレーが決勝に進出した場合はフェデラー優勝でもマレーが第2シードです。 
 
第4シード争い ワウリンカ、ナダル
ワウリンカは自分が優勝かつフェデラーが16強以下ならば第3シードですが、とりあえずナダルとの第4シード争いということで話を進めます。 
ナダルが暫定4位のワウリンカを抜くには最低でも決勝進出が必要です。
ワウリンカが決勝に進出した場合はナダル優勝でもワウリンカが第4シードです。

第6シード争い 錦織、ツォンガ
ここはやや錦織が優位です。
ツォンガが暫定6位の錦織を抜くのは自分が優勝かつ錦織が8強以下の場合のみです。
ツォンガが準優勝以下の場合は仮に錦織が初戦敗退でも錦織が第6シードを獲得します。

第8シード争い 
一応ベルディヒ、ラオニッチ、ガスケ、フェレール、モンフィス、ゴフィン、ティエム、バウティスタ=アグト、キリオス
にチャンスがありますが、バウティスタ=アグトとキリオスについては優勝が必須かつ他の選手が総崩れ状態にならないといけないので現実的ではありません。
かといってベルディヒが圧倒的に優位なわけではありません。
ベルディヒは初戦敗退の場合、僅か20ポイント差のラオニッチに抜かれます。
2回戦以降も、ラオニッチが1ラウンドでも上回った場合、順位が逆転します。

この第8シード争いが一番激しく、誰が制するかも読めません。
どの選手にも期待できると思います。


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年5月7日土曜日

"NEXT BEST"って何?~大丈夫。まずはこれだけ押さえよう~

ATP公式サイトのランキングページに突如出現した「NEXT BEST」の項目。
これまでの記事でも何回か取り上げてきましたが、かなり回りくどい書き方だったので、もっと単純明快な説明を改めて書きます。

結局NEXT BESTとは何なのか

nb

赤枠で囲った「45」が錦織のNEXT BESTです。
この「45」という数字は一体どこから来たのか、その答えが次の画像です。
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錦織のポイント内訳表です。内訳表の調べ方はこちらを参考にしてください。
赤枠で囲った「45」がまさしく先ほど確認したNEXT BESTの「45」なのです。
つまり、2016年1月4日のブリズベンで獲得した「45(ポイント)」が錦織のNEXT BESTなのです。

NEXT BESTは何に使うのか

このNEXT BESTが一体何の役に立つのか。
結論から言うとポイント計算のために使うのですが、その使い方を理解するのは容易ではありません。
ですが、グランドスラムやモンテカルロを除くマスターズでは基本的に使わない のであまり気にする必要は
ないかと思います。

それでももっとNEXT BESTについて知りたい方はこちらのページへどうぞ。


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年5月2日月曜日

マドリード・マスターズポイント試算&ランキング特化サイト開設のお知らせ

タイトルの通りですが、ランキングに特化したサイトを新たに開設しました。
今後のポイント試算などは全て新しいサイトで行います。

↓サイト概観です
atpmt



これまでスマートフォンでご覧の方にはPC版ページへの切り替えをお願いしていましたが、新しいサイトではその必要が無くなります。
現在はまだまだスマートフォンだと見にくい部分もありますが、今後の調整次第ではかなりの改善が見込めるはずです。

これまで「ATPランキング マルチチャート」という名称でやってきましたが、「チャート」というのは本来、図やグラフに対して使うもので、単純な表については「テーブル」が一般的なようです。
名称決定の際も「チャート」か「テーブル」で迷ったのですが、「チャート」の方が見栄えがするような気がして「テーブル」は没にしていました。

ただ、これを機に思い切って変更しようということで、新しいサイトのタイトルは英語表記の「ATP Ranking Multi-Table」としました。

新しい機能も少しずつ追加しているので、ここで改めて使い方を説明します。

 atpmt2
並べ替えボタンは表の上部に移動しました。
出場大会での並べ替えについても今後対応予定です。 

選手検索機能

対応人数の増加に伴って、これまでのようなリスト型だと目的の選手を探しにくいだろうという結論に達しました。
そこで、選手名を入力して検索できるよう改良しました。

また、選手表記の違い(Berdychの表記はベルディヒやベルディハ、バーディッチなどがある)に対応するため、入力候補が出るようになっています。

atpmt3

一文字でも当てはまれば入力候補に挙がり、頭文字である必要もありません。
例えばコールシュライバーを入力したい場合、「こ」ではなく「ら」や「ば」でも入力候補に挙がります。
 
しかし、ひらがな→漢字には対応していないため、錦織の場合は「錦織」と入力していただく必要があります。

選手を入力したうえで右の「検索」ボタンを押すと各ラウンドでのポイント試算を表示します。

入力候補に挙がる選手には対応していますが、それ以外の選手の場合は下の画像のように「登録されていません」と表示されます。

atpmt4



現在はエントリーポイントとレースポイントの試算にしか対応していない検索機能ですが、今後は様々な情報を表示できるよう改良していきます。

長々と引っ張りましたが、肝心の新サイトはこちらになります。
動作不良、表示崩れのご報告、その他ご意見はこちらのコメント欄もしくはTwitterで受け付けております。

今後ともよろしくお願いいたします。 
source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年4月25日月曜日

~突きつけられた現実 錦織圭は新たなステージへ~ バルセロナ決勝回顧

「攻めが良ければ勝てる」から「あと一歩何かが足りない」へ

これが今回の試合を振り返って自分が感じていることです。
批判覚悟で書きますが、決して悲観的な意味ではなく、これは逆に喜ぶべきことだと思います。

先に断っておきますが、この記事では今回の敗因を探ることはしません。
簡単に敗因が見つかるような試合ではなかったと思うからです。
錦織が負けたとき、私たちは躍起になって悪かったプレーを探そうとしますが、完璧なプレーなど存在しないのも事実です。

ですから、今回のように明確な敗因が見つかりそうにない試合に関しては、自分はそっとしておこうと思います。

という訳で、試合の振り返り自体は短めにいきます。


錦織は完璧な攻めを見せた

試合の立ち上がりから錦織は非常に集中していました。
第1ゲーム、速いテンポで攻め続ける強気のテニスを見せると、続くサービスゲームではファーストサーブを全て入れてラブゲームキープに成功します。

直前の展望予想では絶好調でない限りむやみに攻めるべきではない、と書きましたが、まさしく絶好調でした。
ひたすらに攻め続ける選択は間違っていなかったと思います。

しかし、ナダルの粘りが本当に素晴らしかった。
ブレークポイントを握られてからの集中力は恐ろしいもので、錦織はことごとくはじき返されてしまいました。 

第1セットは本当にどちらが取ってもおかしくなかったと思います。
本人はミスを悔やんでいましたが、攻めの姿勢があってこその内容だったので、仕方ないものだったと思います。

第2セットもブレーク合戦となる中で、本当に最後まで粘りに粘ったのですが惜しくも届かず。
ストレート負けという結果でしたが、スコアでは語りつくせない試合だというのを誰もが感じたはずです。

突きつけられた現実

ここからが本題です。

錦織のプレーは本当に素晴らしかった。
これは試合後の錦織の表情を見ても感じられます。
悔しさも表れていますが、一方で自分のテニスに手ごたえを感じた清々しい表情でもありました。

しかし、それでもナダルに勝てなかった。
ほぼ完ぺきなプレーなのに、あと一歩何かが足りない。

確かに悔しいことですが、こういう負け方は錦織が新たなレベルに達したことを意味すると感じています。

思い出すのが2014年の全豪オープン4回戦。
攻めのテニスでナダルを脅かし、それでも1セットも取れなかった試合です。

そして、続くマドリード決勝でもナダルを追い詰めながら今度は体が悲鳴を上げます。

この2敗を乗り越えて掴んだ昨年のモントリオールでの勝利によって、「良い攻めができれば勝てる」ことを証明しました。

そこで訪れた今回の敗戦。
決してマドリードやモントリオールの時に比べてプレーレベルが下がったわけではないのに(個人的にはむしろ上がったと思っている)負けてしまいました。

これまではどれだけ良いプレーをするか、というのが論点だったわけですが、今後は良いプレーをしつつ、どうすれば勝ちきれるのかを考えて挑戦することになるのです。

同じような道をフェデラーも、ジョコビッチも通ってきたわけです。

全仏でナダルに幾度となく倒され、2008年には遂にウィンブルドンで敗れ、2009年全豪では大粒の涙を流したフェデラー。
同様に、前哨戦のマスターズでは勝てるのに、2012年から2014年まで全仏では敗れ続けたジョコビッチ。

2人とも、「あと一歩何かが足りない」敗戦を幾度も繰り返し、強くなった選手です。
ジョコビッチの「ロジャーやラファがいてくれたから自分はここまで強くなれた」という言葉がそれを物語っています。

「あと一歩」を追求する新たなステージに移った錦織。
今後も同じような敗戦を繰り返すかもしれません。
しかし、その度に強くなってくれることでしょう。

そして、そのきっかけを作ってくれたナダル。

両者のさらなる活躍を期待しましょう。


source : テニスブログ Hawk-Eye

2016年4月24日日曜日

~チャンスは必ず来る~ バルセロナ・オープン2016 ナダル対錦織戦 展望予想

複数回ブレークすることはできると思うが、勝てるかどうかは分からない。

というのが個人的な見解です。
少なくともマイアミの対ジョコビッチ戦よりはチャンスがあると思います。

当時の展望予想は厳しめに書きましたが、今回も安易に「錦織が勝てる」とは言いません。
それを踏まえたうえでお読み下さい。

チャンスは必ず来る

先週のモンテカルロを制し、今週も順調に勝ち進んできているナダル。
クレーキングとしての実力を取り戻しつつあり、強敵なのは間違いありませんが、決して隙が無いわけではありません。

クレーコートだとサーバーの優位性が落ちるのでブレーク合戦になりやすいのですが、それを抜きにしても最近のナダルはブレークポイントを与えすぎです。

先週のモンテカルロでは、

2回戦   ベデネに5回
3回戦   ティエムに17回
準々決勝  ワウリンカに1回
準決勝   マレーに11回
決勝     モンフィスに13回

ものブレークポイントを与えています。
それでも優勝できたのは、粘りに粘ってブレークポイントを凌ぎ続けたことと、相手を上回る回数ブレークしたからです。

特に3回戦ではティエムに与えた17本のうち15本ものブレークポイントを凌ぎ、準決勝マレー戦でも11本のうち8本を凌ぎました。
仮にブレークされてもその後ブレークバックし、そのまま突き放したのです。

今週は与えるブレークポイントの本数こそ減ってきていますが、 大会のグレード自体が落ちていることを考えると、粘れなくなっているという言い方が正しいと思います。

事実準々決勝のフォニーニ相手には与えた3本全てをブレークに結びつけられていますし、その他の選手にはそもそも地力の差が大きくてブレークポイントを与えなかったと考えます。

ですから、必ずチャンスはやってきます。
そこでしっかり決められるか、自分のサービスゲームをどれだけキープできるか。
雑感としてはこれに尽きると思います。


ボールをつなぐ勇気を

錦織はとにかく攻めるべきだ、ナダルとラリーをしてはならない。
という考えも間違ってはいないと思います。

錦織が絶好調なのであればこの考えで良いとは思いますが、凡ミスの山を積む可能性のあるこのプレーは安易に選択すべきではないと思います。

実はナダルの打つボールにはかなり甘いものもあります。
個人的に注目したいのがナダルの回り込みフォアハンドのストレートです。

そもそも、回り込みショットというのはオープンスペースができてしまうので守備が甘くなります。
ナダルは多くの回転をかけたボールを相手のバックハンドにぶつけることでそれをカバーしているのですが、このボールが浅くなると事態は一変します。

コートの深い位置でバウンドすれば相手を押し下げることができますが、浅い位置だとジョコビッチやマレー、錦織などのバックハンドを得意とする選手にとっては、程よい高さに弾んだチャンスボールになってしまうのです。

先週のモンテカルロも、今週のバルセロナも、そういった浅いボールが意外と多く見受けられます。
だからこそ、錦織は無理な攻めを避け、ボールをつないでいくべきだと思います。

決して攻めるなと言っているわけではありません。
しかし、ただ中途半端なオープンスペースに強打しても、それをカウンターで逆襲できる守備を今のナダルは取り戻しています。

チャンスボールをしっかりと見極め、メリハリのあるプレーをしてほしいのです。

ブレークは想定内

という訳で、お互いブレークされるのは想定内だと言っていいと思います。
その上で勝つのがどちらか、というのは難しいのですが、個人的にはナダル勝利ということで。
モンテカルロから落ちない勢いを見る限り、やはり難敵だなと。

しかし、何度も言っているようにチャンスは必ず来ると思います。
インディアンウェルズの雪辱を晴らし、3連覇を達成してくれることを期待しましょう。


source : テニスブログ Hawk-Eye

[ポイント試算] バルセロナ・オープンポイント2016 準決勝終了時

スマートフォンの方は必ずPC版表示に切り替える必要があります。「スマートフォンでご覧の方へ」の記事を参考にして切り替えをお願いします。








                                                                                                                                    
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失効ポイント
来週の出場大会
暫定エントリー
暫定レース
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出場大会
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レースランキングポイント
出場大会
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マルチチャートとポイント自動計算ツールの使い方はこちら

この後決勝戦のプレビューを書くのでランキングの話だけです。

ナダルがレース暫定2位浮上、錦織は優勝すれば3位になります。 
ブカレストに出場していたデルボニスは17位に浮上し、フェレールと同ポイントです。

来週はミュンヘン、イスタンブール、エストリルの3大会が開催されますが、全仏に向けた準備のためポイント試算は休止させてもらいます。

再来週には新機能を実装できる予定ですので、しばしお待ちください。


source : テニスブログ Hawk-Eye