複数回ブレークすることはできると思うが、勝てるかどうかは分からない。
というのが個人的な見解です。
少なくともマイアミの対ジョコビッチ戦よりはチャンスがあると思います。
当時の展望予想は厳しめに書きましたが、今回も安易に「錦織が勝てる」とは言いません。
それを踏まえたうえでお読み下さい。
チャンスは必ず来る
先週のモンテカルロを制し、今週も順調に勝ち進んできているナダル。クレーキングとしての実力を取り戻しつつあり、強敵なのは間違いありませんが、決して隙が無いわけではありません。
クレーコートだとサーバーの優位性が落ちるのでブレーク合戦になりやすいのですが、それを抜きにしても最近のナダルはブレークポイントを与えすぎです。
先週のモンテカルロでは、
2回戦 ベデネに5回
3回戦 ティエムに17回
準々決勝 ワウリンカに1回
準決勝 マレーに11回
決勝 モンフィスに13回
ものブレークポイントを与えています。
それでも優勝できたのは、粘りに粘ってブレークポイントを凌ぎ続けたことと、相手を上回る回数ブレークしたからです。
特に3回戦ではティエムに与えた17本のうち15本ものブレークポイントを凌ぎ、準決勝マレー戦でも11本のうち8本を凌ぎました。
仮にブレークされてもその後ブレークバックし、そのまま突き放したのです。
今週は与えるブレークポイントの本数こそ減ってきていますが、 大会のグレード自体が落ちていることを考えると、粘れなくなっているという言い方が正しいと思います。
事実準々決勝のフォニーニ相手には与えた3本全てをブレークに結びつけられていますし、その他の選手にはそもそも地力の差が大きくてブレークポイントを与えなかったと考えます。
ですから、必ずチャンスはやってきます。
そこでしっかり決められるか、自分のサービスゲームをどれだけキープできるか。
雑感としてはこれに尽きると思います。
ボールをつなぐ勇気を
錦織はとにかく攻めるべきだ、ナダルとラリーをしてはならない。という考えも間違ってはいないと思います。
錦織が絶好調なのであればこの考えで良いとは思いますが、凡ミスの山を積む可能性のあるこのプレーは安易に選択すべきではないと思います。
実はナダルの打つボールにはかなり甘いものもあります。
個人的に注目したいのがナダルの回り込みフォアハンドのストレートです。
そもそも、回り込みショットというのはオープンスペースができてしまうので守備が甘くなります。
ナダルは多くの回転をかけたボールを相手のバックハンドにぶつけることでそれをカバーしているのですが、このボールが浅くなると事態は一変します。
コートの深い位置でバウンドすれば相手を押し下げることができますが、浅い位置だとジョコビッチやマレー、錦織などのバックハンドを得意とする選手にとっては、程よい高さに弾んだチャンスボールになってしまうのです。
先週のモンテカルロも、今週のバルセロナも、そういった浅いボールが意外と多く見受けられます。
だからこそ、錦織は無理な攻めを避け、ボールをつないでいくべきだと思います。
決して攻めるなと言っているわけではありません。
しかし、ただ中途半端なオープンスペースに強打しても、それをカウンターで逆襲できる守備を今のナダルは取り戻しています。
チャンスボールをしっかりと見極め、メリハリのあるプレーをしてほしいのです。
ブレークは想定内
という訳で、お互いブレークされるのは想定内だと言っていいと思います。その上で勝つのがどちらか、というのは難しいのですが、個人的にはナダル勝利ということで。
モンテカルロから落ちない勢いを見る限り、やはり難敵だなと。
しかし、何度も言っているようにチャンスは必ず来ると思います。
インディアンウェルズの雪辱を晴らし、3連覇を達成してくれることを期待しましょう。
source : テニスブログ Hawk-Eye