今週開催されているモントリオールはATPワールドツアーマスターズ1000シリーズの1大会であって、
「10分で分かるATPワールドツアー講座」で紹介した通り、ランキング上位の選手には出場義務が課せられています。
しかし、本来出場義務があるはずのフェデラーは全米への調整を理由にモントリオールを欠場しています。
このような事態が許されるのか疑問に思う方も多いかと思いますが、実はフェデラーはとある条件を満たしているため、ランキング上位選手でありながらマスターズの出場義務を免除されているのです。
やや条件が複雑であるため当ブログではこれまで深く解説してきませんでしたが、自分としてもいずれは触れなければならないものだと思っていたので、今回意を決して特集を組みました。
ルールブックも参考にしていますが、細かい部分で解釈の誤り等あるかもしれませんので、気付いた方は指摘して下さると幸いです。
以下がマスターズ出場義務の免除を受けるための条件です。
(1)キャリア通算600試合以上
(2)年間12大会以上に出場した年から数えて通算12年以上プレー継続
(3)年齢が31歳以上
少し補足します。
(1)と(2)では試合数や大会数が絡んできますが、ここで若干注意すべき点があります。
2010年以降は、以下の大会だけを対象にして試合数や大会数をカウントします。
・ATPワールドツアーマスターズ1000
・ATPワールドツアー500
・ATPワールドツアー250
・バークレイズATPワールドツアーファイナルズ
・グランドスラム
・デビスカップ
・オリンピック
つまり、2010年以降のチャレンジャーやフューチャーズ(ATPワールドツアーの下部大会)に出場した場合、その試合数は条件(1)ではカウントされず、条件(2)の年間12大会を満たすにはその他の階級の12大会に出場していなければいけません。
逆に、2009年以前のチャレンジャーやフューチャーズは試合数も大会数もカウントされます。
(1)~(3)までの3つの条件のうち、どれか1つでも満たしている選手は出場義務のあるマスターズ8大会のうち、1大会の出場義務が免除されます。そして、2つの条件を満たせば2大会で免除され、3つとも満たせば全ての大会で免除されます。ここで、出場義務が免除されるのはマスターズ1000の大会に限られていて、ATP500の大会は対象外であることに注意しましょう。
では、実際にこれらの条件を満たしている選手を何人か紹介したいと思います。
・3つの条件全てを満たしているトップ選手
フェデラー、フェレール、ロペス、ロブレド、コールシュライバー
・2つの条件を満たしているトップ選手
ナダル、ワウリンカ、ベルディヒ、ツォンガ、シモン
・1つの条件を満たしているトップ選手
ジョコビッチ、マレー
これで、フェデラーが今週のモントリオールを欠場しても問題ないことが分かっていただけると思います。
そして、今年からこの出場義務の免除がランキングシステムにも関わるようになりました。
昨年までは出場義務を免除されている選手がマスターズの大会を欠場することはできても、その大会は強制的に0ポイントとしてランキングポイントの上位18大会に含まれました。
しかし、今年からは大会前に棄権を申し出ていればその強制0ポイントを避けることができるのです。
今年のマイアミを欠場したフェデラーのランキングポイント内訳を見てみましょう。

「ATP WORLD TOUR MASTERS 1000」の項目に注目して下さい。
2015年3月下旬に開幕したマイアミが記載されていません。
一方で、こちらは同じくマイアミを欠場したチリッチのランキングポイント内訳です。
スペースの都合により「GRAND SLAM」の項目が入っていませんが、公式サイトのページにはきちんと記載されていますのでご了承ください。

チリッチの場合はマイアミが0ポイントとして記載されています。
なぜ2人とも欠場したのにチリッチだけが強制0ポイントなのか。
これこそがマスターズ出場義務の免除によるものなのです。
出場義務を免除されているフェデラーは、0ポイントのマイアミ(ATP1000)に代わってより多くのポイントを獲得した大会(ATP250など)を上位18大会の一大会とすることができます。
一方、出場義務を一切免除されていないチリッチは、0ポイントのマイアミが強制的に上位18大会に含まれます。10ポイントを獲得したデビスカップが「NON-COUNTABLE TOURNAMENT」(すなわちランキングポイントの計算には無効)の項目に含まれているのはそのためです。
かなり複雑な説明になりましたが、理解していただけたでしょうか。
怪我などで欠場することの増えるベテラン勢を気遣っていると思われるこの制度。
アイディアとしては非常に素晴らしいものだと思いますが、ランキングポイント計算がややこしくなるので自分にとっては厄介な制度でもあります。
さて、明日以降も「マッチスタッツ基本用語講座」や「チャレンジシステム特集」など、以前告知してそのままになっている記事を上げていきたいと思います。
今週のモントリオールや来週のシンシナティにはあまり触れられないと思いますが、何卒ご容赦くださいますようお願いいたします。
逆に、2009年以前のチャレンジャーやフューチャーズは試合数も大会数もカウントされます。
(1)~(3)までの3つの条件のうち、どれか1つでも満たしている選手は出場義務のあるマスターズ8大会のうち、1大会の出場義務が免除されます。そして、2つの条件を満たせば2大会で免除され、3つとも満たせば全ての大会で免除されます。ここで、出場義務が免除されるのはマスターズ1000の大会に限られていて、ATP500の大会は対象外であることに注意しましょう。
では、実際にこれらの条件を満たしている選手を何人か紹介したいと思います。
・3つの条件全てを満たしているトップ選手
フェデラー、フェレール、ロペス、ロブレド、コールシュライバー
・2つの条件を満たしているトップ選手
ナダル、ワウリンカ、ベルディヒ、ツォンガ、シモン
・1つの条件を満たしているトップ選手
ジョコビッチ、マレー
これで、フェデラーが今週のモントリオールを欠場しても問題ないことが分かっていただけると思います。
そして、今年からこの出場義務の免除がランキングシステムにも関わるようになりました。
昨年までは出場義務を免除されている選手がマスターズの大会を欠場することはできても、その大会は強制的に0ポイントとしてランキングポイントの上位18大会に含まれました。
しかし、今年からは大会前に棄権を申し出ていればその強制0ポイントを避けることができるのです。
今年のマイアミを欠場したフェデラーのランキングポイント内訳を見てみましょう。
「ATP WORLD TOUR MASTERS 1000」の項目に注目して下さい。
2015年3月下旬に開幕したマイアミが記載されていません。
一方で、こちらは同じくマイアミを欠場したチリッチのランキングポイント内訳です。
スペースの都合により「GRAND SLAM」の項目が入っていませんが、公式サイトのページにはきちんと記載されていますのでご了承ください。
チリッチの場合はマイアミが0ポイントとして記載されています。
なぜ2人とも欠場したのにチリッチだけが強制0ポイントなのか。
これこそがマスターズ出場義務の免除によるものなのです。
出場義務を免除されているフェデラーは、0ポイントのマイアミ(ATP1000)に代わってより多くのポイントを獲得した大会(ATP250など)を上位18大会の一大会とすることができます。
一方、出場義務を一切免除されていないチリッチは、0ポイントのマイアミが強制的に上位18大会に含まれます。10ポイントを獲得したデビスカップが「NON-COUNTABLE TOURNAMENT」(すなわちランキングポイントの計算には無効)の項目に含まれているのはそのためです。
かなり複雑な説明になりましたが、理解していただけたでしょうか。
怪我などで欠場することの増えるベテラン勢を気遣っていると思われるこの制度。
アイディアとしては非常に素晴らしいものだと思いますが、ランキングポイント計算がややこしくなるので自分にとっては厄介な制度でもあります。
さて、明日以降も「マッチスタッツ基本用語講座」や「チャレンジシステム特集」など、以前告知してそのままになっている記事を上げていきたいと思います。
今週のモントリオールや来週のシンシナティにはあまり触れられないと思いますが、何卒ご容赦くださいますようお願いいたします。
source : Hawk-Eye ~公正なテニスブログ~