一言で動体視力と言っても、それには種類がある。
ふつう動体視力と聞いて思いつくのは、
動く物体の速度に瞳の動きを同期させて画像を明確に捕らえることであろう。
駅のホームで目の前を通過する電車に乗った客の顔を認知できるのはこの能力だ。
視同期力と呼んでも良いだろう。
テニスにおいてこの能力はそれほど秀でている必要はない。
テニスで最も重要なのは、瞳を静止させ、動く物質の軌跡を残像として捉える
動体視力である。
黄色いボールは薄黄色い線として認識される。
残像視力と呼んでも良いだろう。
脳の記憶能力も大きく関わってくる。
打点で瞳を静止させるテクニックは習慣づけないとなかなか身につかない。
一度身につけても習慣を怠るとすぐ元に戻ってしまう。
ボールが線として見えなくても、それが見えるまで打点で視線を止める習慣を実行し続けることが重要だ。
残像視力を身につければ、ボールは速ければ速いほど直線に近く変化の少ない捕らえ安いボールになる。
逆に前述の視同期力では、ボールは速ければ速いほど捕らえるのが難しくなる。ガットにぶつかる10センチ前の黄色い球形など見えるわけがないのだ。
この能力を身につけるには、事前に予想したイメージが、実際に見えるであろう残像イメージと一致しなければならない。
事前予想イメージを上手く描ける勘の良さにかかっている。
まだ見たことのない画像をイメージするのだから、創造力を要する。
残像が見えるようになるまで多くの事前予想イメージを創造しよう。
もう一つ重要なのが、遠いところから手の届くところまで、一気にピントを調整する動体視力だ。
ピント視力と呼んでも良いだろう。
速いボールを受ける時、特にリターン打球時に最も役に立つ。
この能力は目のレンズを変形させる筋肉の柔軟性に依存するので、目の筋トレで性能アップできる。
【トレーニング法】
3つのオブジェクトを決める
A. ベースラインからネットまでの距離にある物体(窓越しに見える隣家のアンテナなど) 距離を覚えていない人は→こちら
B. 3メートル先にある物体。
C. 腕を伸ばして親指を立てた時の爪
この3点を一直線上に配置し、
A→B→C→A→B→C→...
の順に素早くピントを合わし、20ループくらい繰り返す。
できる限り素早いテンポで行う。
いくら早くても1つ1つの物体にしっかりピントが合っていなければダメ。
テニスの技術を語る時、肉体の運動能力にばかりにフォーカスが行ってしまい、目の重要性が語られる機会が少なすぎるのだ。
視力の鍛え方次第で、自分より運動能力の高い選手に勝つことができるのだ。
テニスは目ニス
だ!
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ソーホーストリンガー
source : ガットとラケットとテニス