イップスという症状は元々ゴルフ用語かもしれません。
聞いたことはあるのではないでしょうか?
精神的な「不安」や「恐怖」などで腕が振れなくなる、手首が硬くり、ラケットやクラブを振り切れなくなってしまう症状です。
テニスで言えば、フォアハンドやサーブでなりやすいと思います。
ある程度スウィングができてくるとゲームを意識します。
当然、コートに入れなくてはいけません。
今まではミスしても自分のスウィングを作るために仕方ないと割り切れていたものが、コートに入れなくてはいけませんから
大きくアウトしてしまうかもしれない...
真ん中に当たらずガシャってしまうかもしれない...
という「不安」や「恐怖」に繋がっていきます。
その結果、怖くなって振りきれないで当てにいくスウィングになってしまいます。
私が思うに3つのイップスがある気がします。
(もちろん、勝手な仮説です。)
①手先でスピンを掛けて薄すぎる当たりになってしまう
②打点が近くなる
③ボールを引き込み過ぎてしまう
②と③は同じような感じかもしれませんが。
では、それぞれ。
①手先でスピンを掛けて薄すぎる当たりになってしまう
これはスピンをかけることができて、いい当たりのスピンも打てるようになってきた頃に起こります。
ストレスがない球出し練習ではガツガツ振り切って暑い当たりのスピンを打てているのに、ポイントゲームなどになると、不安になりガツガツ振り切って打てなくなり、手首でこねてしまったりします。
とりあえずコートには入るものの、厚い当たりとは程遠い、チョリチョリのスピンでコートに収まりますが、練習時とはかけ離れたボールになってしまいます。
不安がなくなるまで、つまり自信がつくまでトコトン球出し練習をするか、振り切って薄い当たりのスピンも打てるようにしていくしかありません。
②打点が近くなる
これは、打点を遠くすると当たらないんじゃないか、真ん中を外すのではないかという不安からボールに近づき過ぎてしまうパターンです。
確かに打点を近くにすれば、何となく安心。
それこそ、空振りはしないだろうという安心感からなりやすいです。
しかし、お分かりのように、どん詰まりのスウィングになり良くありません。
離れれば離れるほど不安になる気持ちはわかりますが、払拭するしかありません。
③ボールを引き込み過ぎてしまう
②と似ていますが、②は左右の距離感に対して③は前後の距離感と捉えてください。
特にボールが高く弾んだりする場合です。
下がる余裕があれば下がりますが、その時間がなさそうな時。
当然、ライジングや高い打点で打つようにして、最終的にはボールを「前」で捉えなくてはいけません。
しかし、ライジングは下手すると空振りしてしまうかもしれない...タイミングを早くするとミスるかもしれない...などの恐怖感から微妙に待って、ボールの勢いがなくなるのを待ちたい...という心理から「当てにいくスウィング」になってしまいます。
これまた、どん詰まりのスウィングでよくありません。
さらに、スピンが高く弾んだら面が開いてキャッチャーフライのように真上にボールが行ってしまったりします。
打点が近くなる、という点ではサーブにも現れます。
高い打点で打つとラケットの先端に当たってしまってカツン!みないな情けないサーブになってしまうんじゃないか...という不安から、トスが低くなり、全く振りきれないサーブになってしまいます。
どれも、これといった正確な処方箋はありません。
最終的には自信がつくようになるまでミスしても自分を信じて打ち続けるしかありません。
しかし、試合を意識してミスしないようにテニスをしようとすればするほど不安や恐怖は出てくるものです。
そのように考えると誰にでも起こりうる症状なのではないでしょうか?
(テニスをストレス解消!くらいに考えてバシバシ打つ人は別かな...。)
逆に考えれば相当センスのあるひとや、相当な強心臓以外の人は上達していく上で通らなくてはいけない壁かもしれません。
思い当たる節がある人はまだまだ伸び代がある証拠。
出口の見えにくいトンネルですが、そのようにポジティブに考えて練習していきましょう!
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source : テニス進化論