ゼット(株)様のご厚意により、フォルクル V-Sense 8をテストさせていただきました。
まずフォルクルと聞いて「知らん」とか「スキー?」とか思われる方もいらっしゃると思いますが、かなり昔からラケットメーカーとして有名なところです。
その昔、全豪オープンチャンプのペトル・コルダや、ジョン・マッケンロー、そしてジュニア時代にはあのロジャー・フェデラーも使用していたC10 PROというラケットがありました。
独特のホールド感を持つフレームで、一部のマニアの間では流行っていたかと・・・。
書き足すことではありませんが、私もこのC10 PROを使用させていただいておりました。
そんなフォルクルを久々に打ちました。
今回のこのV-Sense 8は、平均重量300g、平均バランス320mmの黄金スペック。
27インチ長、ストリングパターン16×18、フェイスサイズ100平方インチといたってノーマルです。
ですので振ってみた感じは黄金スペックの他モデルと変わらず、ある程度の重量を感じながら、適度に効いているバランスがラケットヘッドを走りやすくしてくれ、またフェイスの位置を把握しやすいスペックなので、一般的な筋力の私くらいですとストローク、ボレーにおいて使い始めから違和感なく取り回すことができました。
そして打感!
十数年経っても、やはりフォルクルのホールド感だなぁというのが第一印象。
ボールをヒットした瞬間、まさに「咥え込み」ます。
どんなにフルスイングをしてもフレームのどこが撓っているかはわかり得ませんが、アバウトに言うとフェイス部全体でボールを掴んでくれます。
この作用が球持ち感を長くしてくれて、打ちたい方向へフォロースルーを取れば、まさにその方向に運んでくれるコントロール性をアシストしてくれます。
ただこのホールド感とコントロール性はしっかり振り切れればの話でして、いわゆる当てチョンだと生まれてきません。
しかも得てしてホールド感が高いフレームは、その撓りによってボールを弾いてくれるのですが、どういうわけかこのV-Sense 8は弾いてはくれません。
フレーム厚22mm~24mmの割には自身でしっかりヒットしていかないと飛ばない感覚を持ってしまうと思われます。
なのでフルスイングでヒットしてもコントロールミスが軽減されるので、完全なる上級者の方向けのツアーモデルであると認識できました。
この独特な打感の恩恵は、特にスライスやボレーに現われ、相手のとてつもない速いショットに対しても弾かれることなく「咥え込み」、相手のボールの威力を吸収してから自身の思い描く弾道に軌道修正してくれるアシストがあるので、テスト中ボールが浮くという失態が私にしては皆無に近い状態にならせてくれたのです。
その代わり、スピンサーブやストロークでのトップスピンはご自身の技量がそのまま忠実にボールに伝わります。
フレームが何かをしてくれてスピン量を増大してくれることはナイと言っても過言ではないでしょう。
個人的に厚いグリップでグリッとやるのが好きなのですが、そんなまやかしはV-Sense 8が許してくれない感じというか
ですので自ずと当たりを厚くしていく自分がいました。
黄金スペックと言われているモデルは、どちらかというとスピン系の選手のアシストという先入観がありますが、V-Sense 8はドフラッターでも安心して打ち込むことができるラケットだと思います。
あとですねぇ、
もしかしたら振動止めは必要ないかもしれません。
最初は癖で振動止めを装着してからテストしたのですが、あまりの振動のなさに一度外して打ってみると、手に伝わってくる状態が逆にボールを掴んでいることを把握しやすく、それでいて嫌な振動はほぼありませんでした。
これはどうやらグリップ部にV SENSORという振動吸収材が埋め込まれているので、その恩恵ということみたいです。
ミスヒット満載の私が振動止めを付けなくてもストレスフリーでプレーできるなんてビックリです。
これターゲットは明確だと思います。
「黄金スペックがベストマッチなんだけど、厚い当たりを駆使して、フレームパワーよりコントロール性を求められている方」です!
クレーコートの試合で、対戦相手がV-Sense 8を使用していたら・・・
私はDEFるかもしれません
人気ブログランキング
source : Various impressions