例年会場となっている東京体育館は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた改装工事により使用できないため、今年は場所をここ駒沢体育館に移しての開催です。
開場が待ちきれないと言わんばかりの長蛇の列は例年通り。
ちなみに列が長すぎて写っていませんが、この奥にも当日券を買い求める人たちの行列がまた別にあります。
お金を出してでも有名選手の試合を生で観戦したいというファンがこれだけいるわけです。
最近はネットを通じても大きな大会の試合を見られる環境が増えてきたものの、それでもやはりライブの迫力は違います。
昨年までは愛知のルーセントカップ社会人・学生対抗インドアと同日開催でしたが、今年は日程をずらしたため両方見れるチャンスでもありました。
「やるスポーツ」としての印象が強いソフトテニスですが、「見るスポーツ」としてもまだまだ進化の余地はあるはず。
その先導役ともいえるのが、このルーセントカップ東京インドアです。
会場変更でコート数が減った影響もあり、今年は出場ペア数も男女各6ペアに。
そのぶん、出場選手はいずれも今日本を代表するトップ中のトッププレイヤーばかり。
まさにインドア頂上決戦です。
今大会の司会を務めたのは、ご自身もソフトテニスをされている日本テレビアナウンサーの藤井恒久さん。
藤井アナ、いや藤井選手のご活躍は以前ソフメシでも取り上げさせていただきました。
過去記事:波乱含みの関東オープン
藤井アナの小気味よい司会進行で、選手紹介、組み合わせ抽選が進みます。
出場選手によるサインボールがスタンドに打ち込まれ、会場のボルテージは上がっていきます。
最近はソフトテニス関連のYouTubeチャンネルなどでトップ選手を目にすることも珍しくなくなってきました。
そのぶん、子供や中高生たちも選手を身近に感じているはずです。
やはり好きな選手がいると、応援や観戦の楽しさも俄然アップします。
ソフトテニス界を担うスター選手たち。
男女通じて出場12ペアのうち、実に11ペアがつい先日発表された2019年のナショナルチームに選出されているメンバー。
その姿に憧れ、上を目指す子供たちがきっと現れてくるはず。
こうした大会を生で見たことがない子供たちには、ぜひ実際に会場に足を運んでほしいですし、親御さんや指導者の方々にもぜひともそうした機会を設けてあげてほしいと思います。
予選リーグは男女とも第1シードに今年度の天皇杯・皇后杯チャンピオンペアが座りますが、それ以外はすべて抽選。
第1試合から昨年の女子決勝の再現となりました。
皇后杯2連覇中の林田リコ・宮下こころペア(東京女子体育大/明治大)。
対する高橋乃綾・半谷美咲ペア(どんぐり北広島)は、とくにインドアでの強さが際立っており、このルーセントカップ東京インドアを一昨年、昨年と連覇しています。
事実上の決勝のようなこの対戦は、高橋・半谷ペアに軍配。
どの出場ペアも実力は折り紙つきで、誰が優勝してもおかしくないこの大会。
全ての試合が注目です。
2面での開催には少々寂しさも感じていましたが、観客にとってもむしろすべての試合に目が届くので結果的にはよかったのかもしれません。
会場に響き渡る凄まじい打球音に臨場感も高まります。
毎試合繰り広げられる国内最高峰のプレーの連続に、なんども会場がどよめきます。
試合の合間には出場選手によるサイン会も開催されたり、物販ブースには恒例の黒山の人だかり。
来場者に楽しんでもらえるように、観戦以外のお楽しみも欠かしません。
また、お楽しみといえば豪華商品の当たる抽選会。
一等の旅行券10万円分をはじめ、ルーセントのラケットバッグとパデットジャケットが各10名に。
クジ運の弱い私は、こういうときまったく自分に期待をしません。
まさかの1番違い!
さすがにドキドキしたぁ~(笑)
前後賞はないのか?と一瞬よぎりましたが、ハズレたのが悔しいので「1年の運をここで使い果たさなくてよかった」という結論にしておきましょう。
お楽しみ抽選会を挟んで、いよいよ予選リーグを勝ち抜いたペアによる決勝戦が始まります。
女子決勝に駒を進めたのは、激戦のAブロックから林田・宮下ペアと高橋半谷ペアを下して勝ち上がってきたヨネックスの徳川愛実・黑木瑠璃華ペア。
対するBブロックからは、同じく女子実業団の名門ナガセケンコーの中川瑞貴・芝崎百香ペア。
もともと速球豪打のイメージがある中川選手。
ここでは要所でネットに詰めたりと、果敢に相手を揺さぶります。
対するヨネックスペアは、徳川選手の伸びやかなフォームから繰り出されるロブ、シュートが冴え、黑木選手も持ち味である強気なポジショニングで仕掛けます。
雁行陣を主体に、後衛がロブを駆使して展開をつくり、前衛でポイントを獲りにいく。
まさにインドアゲームのお手本のような、見応えのある中身の濃い試合でした。
紙一重の好勝負でしたが、最後は徳川・黑木ペアに軍配。
最終戦となった男子決勝は、昨年度覇者の船水颯人・上松俊貴ペア(早稲田大学)と、ヨネックスの林田和樹・柴田章平ペア。
昨秋の天皇杯準決勝での同カードは、船水上松がストレートでの完勝でした。
陣形がめまぐるしく変わるスピーディーな展開のなか、林田・柴田両選手の思い切ったプレーが光ります。
天皇杯の雪辱を果たし、嬉しい初優勝。
平成最後の東京インドアは、ヨネックスペアによるアベック優勝で幕を閉じました。
これだけの試合が生で見られる機会はそう多くありません。
今回見に来られなかった方は、ぜひ来年会場に足を運んでみてください。
間違いなくソフトテニスの魅力を存分に味わえるはずです。
ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会 注目動画
男子/決勝
船水・上松ペア(早稲田大学) 対 林田・柴田ペア(ヨネックス)
女子/決勝
徳川・黑木ペア(ヨネックス) 対 中川・芝崎ペア(ナガセケンコー)
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過去記事:平成29年度 ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会
過去記事:平成28年度 ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会
source : ソフトテニス・オンライン