全国のソフトテニスに青春を捧げる高校生たちの夢舞台。
その今年の熱戦の舞台は宮崎県。
南部九州総体、インターハイの開幕です!
関東地方に近づく台風6号から逃げるように宮崎へ。
宮崎の空の玄関口、宮崎ブーゲンビリア空港に到着すると気持ちのよい快晴。
南国リゾート気分も手伝って、俄然テンションも上がります。
空港から電車とレンタカーを乗り継いで、ソフトテニス競技の会場である生目の杜運動公園へ。
熱気ムンムンのインターハイ会場。
個人戦は2日間の日程で開催され、大会初日の3回戦までを勝ち抜いたベスト64のペアが2日目へ。
インターハイでも2日目に勝ち残るペアともなると、前評判が高かったり実績があったり、聞き覚えのある名前ばかりです。
注目カードが目白押しのインターハイでは、各コートに黒山の人だかり。
チームの保護者や関係者はもちろんのこと、熱戦を一目見ようと全国から観戦に駆けつけるソフトテニスファンも少なくありません。
個人的にも、ソフトテニスは「見るスポーツ」としてまだまだ発展の余地があると考えています。
トップ選手たちが繰り出すボールやプレーのスピード感、コートに鳴り響く打球音、そして選手と応援の一体感。
インターハイという大舞台での手に汗握る試合展開に、見ていて何度も鳥肌が立ちます。
遠方まで試合観戦に行くためには、休みを確保したり旅費の負担だったりとなかなか簡単ではないと思います。
それでもインターハイに限らずせめてお近くで大きな大会が開催される際は、実際にコートまで足を運んで生の感動を味わってほしいと思います。
残念ながら、ほとんどの小中学生がインターハイの試合を見たことさえないのが実情かと思います。
インターハイの熱い試合を目にしたら、きっと高校でもソフトテニスを頑張ろうと思う子たちも増えるに違いありません。
厳しい地区予選を勝ち抜いてきた選手たち。
もちろんこのインターハイも、負ければそこで終わりのトーナメント戦です。
そのプレーの一球一球に、選手たちがインターハイに懸ける想いが伝わってくるようで心を打たれます。
今大会の注目は、なんといっても昨年のインターハイでも団体、個人の2冠を果たしている高田商業。
昨年2年生ながらインハイ個人3位に食い込んだ山本・西田ペアも、前哨戦となる6月のハイスクールジャパンカップで見事ダブルス優勝。
今回のインターハイ個人戦では、それぞれ別のペアと組んで頂点を目指します。
安定した強さで、ベスト8までに3ペアが順当に勝ち上がった王者高商。
山本大陸・池口季将ペア(奈良県/高田商業)
矢野颯人・西田駿人ペア(奈良県/高田商業)
前田拓夢・西端隆汰ペア(奈良県/高田商業)
高田商業の独走を許すまいと、他の有力校の選手たちも奮闘します。
どのコートも目が離せない白熱したゲームが展開され、とても体が一つでは足りません(泣)。
団体戦での出場が叶わなかった選手や、残念ながらインターハイに届かずスタンドで声を枯らす選手たち。
それぞれにいろんなドラマがあると思うと、この瞬間がいかに尊いことか。
どんなに前評判の高かいペアや、実績のあるペアだったとしても、「インハイチャンプ」という称号を得られるのはたったの一ペアのみ。
そんな苛烈なレースのなか、8決めで内藤・池田ペア、4決めで矢野・西田ペアと高田商業のペアを破って快進撃を続けたのが、地元宮崎県の都城商業の田中・大山ペアです。
田中康文・大山聖捺ペア(宮崎県/都城商業)
ダブルフォワードを主体としながら、2人とも前も後ろも両方器用にこなせる安定感があります。
準決勝ではいよいよ第一シード、高田商業の大将ペア、山本・池口と激突。
ここまでの6試合で失ゲームがわずか5、ファイナルもなく危なげない勝ち上がりだった山本・池口ペアもここで初めて苦戦を強いられます。
最近ではダブルフォワードに取り組む高校生も珍しくなくなってきたので、当然対策はしているはずですが、地元開催の追い風を受けて勢いに乗る田中・大山ペアに1-③とリードを許す展開。
常勝高田商業のエースとして「勝って当たり前」というプレッシャーもあってか、山本・池口ペアが受けにまわる場面が多く見られます。
劣勢を盛り返しファイナルまで追いつくも、最後は5-⑦で力尽きた山本・池口ペア。
この時点で高田商業の個人戦連覇は途絶えます。
個人的な予想では、昨年に続いて高田商業の上位独占かとばかり思っていたのですが、やはり勝負はやってみなければ分からないものです。
もう一方の準決勝は、白川・石川ペアと米川・大辻ペアの尽誠学園同士討ち対決に。
互いに譲らず一進一退でファイナルまでもつれた試合は、大将ペアの白川・石川に軍配。
今年の高校生日本一を決める頂上決戦は、都城商業の田中・大山ペアと尽誠学園の白川・石川ペアの対戦となりました。
田中・大山ペアが宮崎県勢として地元優勝を果たすのか。
それとも、個人戦、団体戦それぞれ過去2回のインターハイ優勝経験をもつ名門尽誠学園の白川・石川ペアがそれを阻むか。
立て続けに高田商業のペアを破ったダブルフォワードでしたが、ハイスクールジャパンカップのシングルスでも優勝している尽誠学園のサウスポー後衛、白川雄己選手のキレのあるシュートと、石川峻伍選手の鉄壁のネットプレーが噛み合います。
尽誠学園のチームカラーである黄色に染まった応援席も、日本一に向けてコート上の選手に大声援を送ります。
そして、歓喜の瞬間へ。
全国の高校生ソフトテニスプレイヤーの頂点に立った2人。
その栄光に惜しみない祝福を送りたいと思います。
そして破れた選手たちも、一心不乱に白球を追いかける姿にたくさんの感動をもらいました。
令和元年度(2019) 全国高等学校総合体育大会ソフトテニス競技(インターハイソフトテニス) 試合結果
感動は無限大 南部九州総体2019 > 競技日程・結果 > ソフトテニス
http://kirokukensaku.net/0IH19/discipline_070_20190727.html熱い戦いは、団体戦へ続きます。
過去記事:平成30年度 全国高等学校総合体育大会(インターハイ男子団体戦)
過去記事:平成30年度 全国高等学校総合体育大会(インターハイ男子個人戦)
source : ソフトテニス・オンライン