前作のネーミングは「REVO X 2.0」と「REVO X 2.0Lite」でしたが、今回は「X」が「CX」になり、「Lite」は「LS」になりました。
この二つは「2.0」が重いほうで「2.0 LS」が軽いほうという違いで、クッショングリップのカラーが重いほうは黒で、軽いほうは白という点は前作と同様です。
ただ、今回はスロート部分とフレームトップ部分の2箇所のカラーが黒と白(LS)に変えてあるので、より見分けやすくなったといえるでしょう。
◆特性の変化
今回のモデルチェンジは、このモデルの従来までの変更より少し大幅だと言えるかもしれません。
それは、今回のモデルチェンジで重量設定やバランスポイントも一緒に変更されたからというわけではなく、ラケットのパフォーマンス自体が大きく変わったと感じられるからです。
私が感じたことを率直に表現すると、弾きが強くなって打球スピードを上げやすくなったということです。
その代わりといっては何ですが、ホールド性の高さという点では従来モデルより少し後退していると言って良いでしょう。
マイルドな感触でボールをつかむ感じが少し減って、シャープな弾きで鋭く飛び出す感じに変わった印象です。
こうした印象の変化が、今回から採用された「ソニックコア・テクノロジー」によってもたらされたものかどうかは定かではありませんが、「ホールド性の高いラケット」というジャンルからは、少し外れてきたと言えるかもしれません。
こうしたラケットの特性変化は、それがプラスに働く人とそうでない人が居るので、誰にでもハッピーということではないのですが、ショットの攻撃性のアップという点に限れば、多くのプレイヤーにとって歓迎できる変更だと思います。
◆スペックの変更
最初に触れましたが、今回のモデルチェンジでは重量設定やバランスポイントの数値も以下のように変更されています。
REVO CX 2.0
重量設定: 前作310g⇒今回305g
バランスポイント:前作315mm⇒今回310mm
REVO CX 2.0 LS
重量設定: 前作295g⇒今回290g
バランスポイント:前作320mm⇒今回315mm
ご覧のように、両モデルともに両方の数値が5ポイントずつマイナスされているわけです。
こうしたスペック変更によって、両モデルともにスイングウェイトが軽い個体が多くなっているように感じます。
もちろん、重量とバランスポイントの数値でスイングウェイトが最終的に決まるわけではありませんが、とりあえず現実の結果として、ラケットのスイングウェイトがやや軽めに仕上がっているものが多いようです。
そのため、スイングウェイトが軽めの個体を使用した場合は、余計に硬さを感じるかもしれません。
◆重量の違いについて
「REVO CX 2.0」と「REVO CX 2.0 LS」との重量差は、前作と同様に15gです。
ただ、この数字を見て290gのラケットと305gのラケットでは、290gのほうが楽で305gのほうがハードだというイメージを持つ方が結構多いのではないでしょうか。
というのも、多くのテニスプレイヤーはラケットの重さにとても敏感で、15gもの重さの違いがあると、それによって、重いほうを別ジャンルのラケットのように受け取ってしまう傾向があるようです。
テニスは、常にラケットを手に持ってプレーするスポーツなので、「重さの負担増⇒疲労の拡大」というイメージに陥りやすく、そのためにラケットの重さの数値にとても敏感になりやすいのですが、ちょっと過敏すぎると言えるかもしれません。
Mサイズの卵の重さは一個約60gですが、「6個入りパック(=360g)から1個抜いたら(=300g)とたんに持つのが楽になった」というようなことは普通は考えられません。
逆に、1個抜けた6個パックに1個足した途端に重くて持てないということもないでしょう。
360gなどという、ラケットとしては無理めな重さであっても、ちょっと見方を変えれば、絶対にダメということもなさそうです。
昔話で恐縮ですが、ウッドラケットの頃は女性が使う「ライト」という重量表記のものは360~370gで、男性が使う「ライトミディアム」は380~390gくらいでした。
今では男性でも敬遠するような重さのラケットを当時は女性が平気で使っていたわけです。
先ほどの15gの差ですが、10円玉で3枚(≒13.5g)くらいです。
10円玉3枚を手の平に置いてラケットのグリップを握ったときに、それが無い状態とどれくらいの違いを感じるか、実際にやってみると良いでしょう。
スイング感覚の違いを感じる可能性はありますが、それを筋肉負担の増加とは感じないはずです。
新品のラケットのグリップに巻いてある透明のラップを取り去ることで5gくらい軽くなることは珍しくありません。
こうしたことから、重さについての過剰な拒否反応はちょっと見直してみても良いかもしれません。
実際問題として、スイングウェイトが重すぎなければ、多少の重量増はあまり気にしなくて良いと思います。
ということで、「REVO CX 2.0」の305gについては、300gのラケットと同じように考えていただいて良いと思います。
◆総合的に
ホールド性の高さがウリだったモデルが、その特性を少し後退させることで、結果的には汎用性が増し、これまでより広いターゲットに受け入れられやすくなったと言えるでしょう。
そのため、現在のラケット市場における95~98平方インチのモデルの中では、最も無難に使えるモデルの一つと言って良いと思います。
そのため、現在のラケット市場における95~98平方インチのモデルの中では、最も無難に使えるモデルの一つと言って良いと思います。
source : 合うテニスラケットを選んで戦力アップ