ブライアン・バティストーン
知っている人はタイトルをみただけで「あ〜、ブライアンね〜」となりますが、知らないと結構驚きます。本当にグリップが2股になっているラケットを使っている選手がいるんです。ボクも最初に観た時には「なんだあれは?!?!」となりました。「アメリカはやっぱりいろんなやつがいるなぁ〜」と思った事の一つです。
上と下の写真をみるとわかると思いますが、ブライアン・バティストーンが使うラケットはグリップがスロートの所から2本になっています。もちろんこのラケット、テニス協会のルールに沿っているのでどんな大会でも問題なく使えます。
もともと身体の片側だけを酷使するテニスに疑問を持った Lionel Burt が、身体をバランス良く使える様にとこのラケットを開発しました。その後ブライアンとブライアンの兄(写真の紺シャツ)ダンが特許を得て、 現在Natural Tennis という会社を通じて製造、販売、啓蒙しています。
ついつい「このラケットって不利じゃないの?」と疑問を抱いてしまいますが、バティストーン兄弟は自信をもって「アドバンテージ(利点)は沢山あるけれど不利な点は思い当たらない」と言っています。
バティストーン兄弟の様に、小さい頃から真剣に選手としてやってきて、このラケットを使う事にしたのは、横並びの傾向の強い日本ではあり得ない気がします。流石アメリカだな、と。
ボクも10年近く前に公園のコートでテニスをしていた時に、当時このラケットを広めている人(名前は忘れてしまいました)に声を掛けられて少しだけ使わせてもらった事があります。勿論細かいラケットのスペックは色々あると思いますが、基本的にはグリップが観た通りな感じなだけで普通のラケットという感じでした。
ただ、グリップが面に対して曲がっているため、普通に振ると角度がつくので調整する必要があります。一旦なれてしまえば、角度がある分、表を裏を使い分ける事だけで打点を意図的に遅くしたり、逆に前にしたりもできます。両手で片方ずつのグリップを持てばダブルハンドも打てるし、もちろん片手を外せばシングルハンドも問題なく打てます。ストロークやボレー等を左右同じ様に打てるというのが大きな特徴です。
ブライアンはサーブは利き手で打つと思いますが、スマッシュはどちらの手でも打ちます。下の大会のビデオでは実際に右利きのブライアンが左でスマッシュを打つ姿が写っています(カウンターされましたが)。この様にうつには両方の手で同じ様にラケットを握れる必要がある訳です。
そして、ブライアンはラケットのみならず、一番上の写真の様に、ジャンビングサーブを打ちます。バレーボールでは目にした事がありますが、テニスでは初めてでした。さすがに現在のジャンピングサーブはそこまで飛べなくなってしまっていますが、高い打点に加えて、コートのかなり内側(空中)に入った位置で打って来るので、前進するパワーも加えて凄いサーブを打っていました。
オーバーヘッドはさておき、その他のショットは理論的に考えれば考える程、このラケットを使った方が良いんじゃないかと思えて来ます(笑)。そのうち今のテニスが大きな壁にあたったり、向上心が消えて来た時には是非このラケットでプレーしてみたいと思ってしまいます。
ダン・バティストーン。左利きです。つまりこれはフォア。
ブライアン・バティストーンは現在ネバダ在住ですが、毎年5月にロサンゼルス(パロス・バーデス)で開かれるヨネックスの大会(先日瑛菜ちゃんが優勝していたトーナメント)を始めとして南カルフォルニア周辺のオープントーナメントや、ITFにも出ています。そのためロサンゼルスに住んでいると見掛ける事が多いんです。
一応たまに ITF には出ているものの、現在は実質プロは引退していて、コーチを中心に活動しているようです。数年前まではこの辺りのオープンでも優勝する選手でしたが、最近は徐々に準決勝やベスト8止まりになって来ている様です。既に年齢も35ですからね。今年のヨネックスにも来ていましたが、教え子の引率の方が中心のようでした。それでもオープンダブルス決勝ではその教え子を敗っての優勝でしたけど(笑)。身体はほっそりと背が高いイメージでしたが(身長は実際に190cm)、今年みたらかなりふっくらとしていました。
まだ暫くはジャンビングサーブを含めて、観る人がビックリする様なプレーをし続けて欲しいと思います。(N)
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source : アメリカ・テニス日記 from ロサンゼルス・カリフォルニア