2015年8月3日月曜日

バボララケット集団訴訟(クラスアクション)の和解で1本$50の返金

BabolatAeroProDrive.jpg


注:今回の記事は法的な話です。細かい表現や訳がまちがっている可能性があるので、正確な情報が必要な場合はみなさんそれぞれ原文をご確認下さい。また今回の話はアメリカ国内での話です。


2009年の1月から2014年の11月にかけて購入されたバボラのラケット、ピュアドライブシリーズ、エアロプロシリーズ、ピュアストームシリーズなどに対して2種類の集団訴訟が起こされ、2014年暮れに両訴訟をまとめて和解が成立していました。

2つの訴訟の内容を簡単に説明すると、

1つはメディアでプロプレーヤーが推奨するように広告されていたラケットが、実際彼らが使っていたラケットとは違う、という虚偽広告に対する訴訟です。訴訟内容にはっきりと固有名詞は出てこないので推測ですが、例えばナダルの使っているラケトは最近までずっと、オリジナルのエアロプロドライブの中身に新しいバージョンのデザインを塗ったものだ、と噂されていたので、その辺りの事じゃないかと思います。

2つめはラケットにGTテクノロジーと書いてあったりしてタングステンが素材に含まれているようにうたっているものの、実際タングステンは入っていない、と訴えるものです。タングステンが入っているかどうかをラケット購入時の判断基準にした人は少ないと思いますが、確かにラケットにはその文字が入っていますね。

和解はバボラが両訴えを否定した上で、総額$4,500,000を支払って成立です。

日本で集団訴訟というと、何かの被害にあった被害者の一部がまとまって訴訟を起こすというイメージが強いと思いますが、今回のような集団訴訟はクラスアクションと呼ばれ「ある行為や事件から多数の者が同じような被害を受けたとき、一部の被害者が全体を代表して訴訟を起こすことを認める制度。」(コトバンクより)というもので、訴訟を起すグループはあくまで全体の代表です。アメリカでは結構頻繁にクラスアクションが行われ、大規模なもので自分が関わっている事も日常的にあります。

つまり、今回成立した和解は購入者全体に対しての和解で、購入者全員が和解金を受け取る権利がありました。権利を主張するためにはレシートやシリアル番号などの提出が前提で、それが不可能でも場合によっては分配金額が低くなるものの主張が可能、権利の主張は今年の3月11日が締め切りでした。

それから4ヶ月近くたった最近、その和解分配金が権利主張者の元へ届き始めました。基本$50/ラケットです。元々バボラのラケットはアメリカでは1本$200程度の定価で売っていて、実売価格は$180程度、セール時などはもう少し安くなっていたりします。なので$50が戻って来るというのはかなり大きいです。定価の25%ですからね。日本の定価からすると9000円戻って来るイメージですね。

既に和解金の分配も終わったこともあってか、今回のクラスアクションの公式ページは閉じてしまっています。英語でのニュースページを1つリンクしておきます。
Babolat Tennis Racquet Class Action Settlement

余談ですが、和解金総額の$4,500,000を$50で割ると9万本です。バボラのラケットはバカ売れしてきたと言われてますが、アメリカのテニス人口が330万人近く(2008年)と言われているので、その割合からしたらかなり少ないイメージです。USTAの会員数(≒大会に参戦している数)ですら74万人ですから、1人2本使っていると計算するとシェアにしたらたったの6%程度です。全然売れている計算になりませんね。どこで間違ってるんでしょう。みなさん意外にラケットを買い換えないんでしょうか。(N)


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source : アメリカ・テニス日記 from ロサンゼルス・カリフォルニア