2015年11月3日火曜日

テニスとビジネス、お金の話02 バスケやゴルフと比較

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ウィルソンブース@全米オープン2015(文章の内容とは直接関係ありません)


前回、最近思っていた事をいきなり書き始めてみました。「大不足している選手紹介」ってタイトルにしましたが、どう考えても「大不足している選手の露出」ですよね。。言葉の選択がひどかったですね。でも書き始めるきっかけになってよかったです。

その記事に「テニスというプロスポーツビジネスは、他のスポーツに比べて大失敗している」と書いてその部分は流してしまいましたが、今回はそう思う理由について書こうと思います。と書くほど難しい話じゃないんですけどね。

もちろんテニスはスポーツとして世界中で老若男女に楽しまれていて、普及という意味ではかなり成功していると思います。ただ、今回のポイントはタイトル通り「テニスとビジネス」、つまりプロスポーツビジネスとしての話です。

その中で成功、失敗といったら、それはどれだけ観られているかではなくて、どれだけお金が儲かって循環しているか、という部分です。テニスが大失敗していると書いたのは、全く儲かるプロスポーツビジネスになっていない、ということです。

世界でテニスと同様普及しているスポーツの一つにバスケットボールがあります。その最高峰とも言えるプロリーグはアメリカのNBAです。NBAには全部で30チームあって各チームには15人登録されています。つまりNBA選手は全部で450人毎年存在するわけです。そして、その選手の給料は最低額がルールで決まっていて、一番低くて1年目の選手の最低額が$507,336となっています。今日のレートで6千127万円です。

かたやATP450位の選手(記事時点)の賞金獲得額はシングルスの$10,200とダブルスの$2,440で合計$12,640、日本円で152万円程度です。今年はまだ続きますが、大体の額は予想がつきます。テニスの場合はもちろんここから、コーチや練習場所、移動交通滞在などの経費が出ますからね。スポンサーは各個人で違うのでなんとも言えませんが、仮に300位の選手だったとしても、年間数千万円くれるスポンサーはいないでしょう。

これはもはやプロスポーツではなく、アマチュアスポーツのレベルですよね。テニスというプロスポーツが大失敗している理由はもう十分伝わるんじゃないかと思います。


NBAはチームスポーツなので、個人プロスポーツの代表の一つゴルフと比較してみます。プロゴルフを殆どみないボクはツアーやランキングのシステムをよくわかっていないんですが、調べた限りではこの Official World Golf Ranking というのが総括してそうです。ただ、残念ながらここに獲得賞金額は書いていないので、調べやすかった日本人選手をみてみました。

この記事の時点でランキング442位の重永亜斗夢(あとむ)選手です。日本ツアーを回っている選手のようですが、リンクしたページにある今年の獲得賞金を合計すると2,153万円です。

つまりゴルフと比べてもテニスは1/10とうことです。常識的に考えて、様々な経費や家族の生活を考えるとプロスポーツというからには、このゴルフの選手程度の金額はもらわないとうまくいっているとは言えないと思います。

450位と聞くとトップ10位からしたら、はるか彼方の数字に聞こえますが、前に書いた通り、メジャーリーグ(野球)では1軍1200人のトップ半分以上の選手ですし、例えばアマチュアスポーツの夏季オリンピックでいえば、200近くの国や地域が参加してますから、単純に、世界450人/200国=2.25人と考えると確実に一国の代表選手レベルということです。


そんな状況の原因の1つ、そして逆に言えば打破できることの一つが前回書いたような選手の露出を増やす→ファンが増える→お金になる、という考えです。前回はすこし世界の話と日本の話が混ざってしまいましたが、状況は世界的、打破するのはやっぱり地道に、自分の応援する日本人選手たちから、というのがボクの個人的スタンスです。

もちろん世界的にテニスビジネスを変えようと思ったら、例えばグランドスラムのジェネラルアドミッションが$65程度という安さから変え始めてもいいと思います。世界最高峰の4大大会ですからね。そこにたどり着いた選手たちの試合を何試合も観て$65って安すぎません?$80だったとしても、誰も文句を言わないし、4大大会ですから$100でもいいのかも。もちろんその分はトップだけでなく、下の方の選手にも分配してほしいと思いますが。

他にもボクが思いつくだけでもお金を生めそうなところは沢山あります。有名なスポーツ評論家で同じようなことを言っている人も居ます。その人ならまだしも、世界のテニスビジネスの話をボクがいろいろ書いたところでどうにもならないと思うのでそれは影響力のある人にお任せしようかと思います。


日本人選手ができること、日本人選手に対してできることの話は、長くなってきたのでまた次回に。(N)


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source : アメリカ・テニス日記 from ロサンゼルス・カリフォルニア