2015年11月18日水曜日

もはやデッドゾーンではない

2013Morita


ベースラインとサービスラインの間の、ノーバウンドでも1バウンドでも打球しづらいエリアをデッドゾーンと呼ぶ。
今までは、立ってはいけない場所とされていた。

ただその常識は、ポリエステルガットの登場と共に変わった。
ポリエステルガットなら、ノーバウンドでもストロークで打球できてしまうのだ。
その場所は、

 もはやデッドゾーンではない

のだ。
普通より前で打てると言うことは、普通よりワイドに角度がつき、相手に届く球速もアップする。
ストローカーがよりアグレッシブに成れる場所なのだ。

「じゃ、初めからそこに立てばいいでしょ?」
と疑問がわく。
それができないのは、打球はできても、コートカバーしきれないのだ。

それでは、どんなときにそこに立てばよいか?
それはネットに出る時と同様、
相手を、十分な状態で打球できないところまで追い込んだ時だ。

相手の
腕が伸びてしまう状態、
体重を乗せて打てない状態、
ベースライン後方まで追い込まれた状態
などだ。
言い換えれば、自分の読みが1ヶ所に絞れる状態だ。

ネットに出る時と同様と言ったが、ネットよりはカバー領域が広い分、これらの状態が不完全でも出ることができる。
おまけにそのポジションはネットより遙かに近い。戻ろうと思えば戻れるのだ。


それでは現在、トッププロがそれをあまり使用していないのか?
それは、まだ古い常識に縛られているからだ。
『道具が変わればプレーも変わる』ことも常識のはずなのに..
有明でトッププロの練習を観ていても、ノーバウンドで打球する練習を全くやっていない。
普通のストローク同様、日々の練習で磨きに磨きをかけない限り使い物にはならないのだ。

トッププロがそのプレーを確立していない間にそれをマスターすることが、日本人が飛躍するチャンスだ。
このプレーが普及していないと言うことは、それに対する対処プレーも全く確立されていないのだ。

◆打球のコツ
・極力テイクバックをとらない。=PA打法(テイクバックと言うより、テイクフロントだ)
・ラケットフェースを絶妙の上向き面で捕らえる。(ライジングとは逆の下降しているボールを捕らえるためだ)

打球後は極力ネットを獲ろう!

ベースラインにいても、浮いたボールなら、デッドゾーンに走り込んで、ノーバウンドでストロークしよう!



source : ガットとラケットとテニス