2017年7月30日日曜日

インターハイという筋書きのないドラマ

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こんにちは。
ソフオンブロガーの荒川です。

前日までの男子個人戦の余韻に浸る間も無く、次の日はいよいよ男子団体戦です。


インターハイ団体戦のトーナメントは1日で行われるため、1回戦から勝ち上がると決勝まで最大6試合を戦うことになります。

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この日も朝からあいにくの雨。

今年のインターハイ男子日程は個人、団体を通じて雨天のなかの開催となりました。

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個人戦で不本意な結果に終わったペアも、はたまた個人戦での出場が叶わなかった選手も、最後の団体戦にすべてをぶつけます。

ベンチやスタンドからの応援も自然と力がこもり、まさに選手と応援団がチーム一丸となって戦う団体戦。

やはり団体戦こそソフトテニスの花形です。

それも全国の頂点を争う強豪校がぶつかり合う熱戦となれば、盛り上がらないわけがありません。


ソフトテニスは硬式テニスと比較されることが多いですが、私は似て非なるまったく別の競技だと捉えています。

硬式のクールさに比べると異質に感じるかもしれませんが、この血湧き肉躍るような「熱さ」こそ、ソフトテニスの醍醐味といえます。

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高校生の3年間はあっと言う間です。

インターハイに出場するような強豪校では、相当な実力を持ちながらも団体メンバーとしては出場機会に恵まれない選手たちもいることでしょう。

そんな控えの選手たちが声を枯らしてコート上の選手の背中を押す姿を目にすると、それだけでもこみ上げてくるものがあります。


そして、コート上の選手たちを見守る親御さんたちも、きっと気が気ではないはずです。

もし将来自分の子供がインターハイで活躍するようなことがあれば、きっと全国どこまででも追いかけていって、試合している本人以上にアツくなってしまう自分が容易に想像できます。

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いろんな人たちの想いが詰まったインターハイ。

やはりここは特別な場所です。



今大会の第1シードは、春の選抜優勝校の高田商業(奈良県)です。

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実に29年連続49回目の出場。

これまでにインターハイ団体戦を19回、個人戦でも12回の優勝を誇ります。

今年のインターハイでも、前日の個人戦で優勝、3位、5位とベスト8のうち3ペアを高田商業が占めています。

まさに盤石の布陣。

言わずと知れた大本命で、団体戦優勝に向けて死角はないように思えます。

過去記事:平成29年度 全国高等学校総合体育大会(インターハイ男子個人戦)


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今大会でも王者の貫禄を見せるかと思われた高田商業ですが、そこに待ったをかけたのが山形県代表の羽黒高校でした。

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インターハイは出場5回目と、まだ実績では他の全国的な名門校に及びませんが、ここ数年でメキメキと力をつけ今年は選抜でも2位まで躍進しています。

羽黒は昨年のインターハイには出場していないため、今大会では準々決勝ではやくも選抜決勝戦の再現となりました。

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どちらに転んでもおかしくない好ゲームでしたが、3番勝負ではゲームカウント3-0から見事な逆転劇で、ついに高田商業の牙城を崩します。

準々決勝
高田商業(奈良) vs 羽黒(山形)
北本・大橋 3-4 金子・齋藤
阪本・根本 4-2 村田・齋藤(大)
山根・林  3-4 根本・齋藤(龍)



高田商業を破って勢いに乗る羽黒は、つづく準決勝でも躍動しました。

相手は千葉県代表の木更津総合。

1月の関東選抜インドア、6月の関東大会でも安定した強さを誇って優勝したチームです。

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どちらも勝てばインターハイでは初の決勝進出となります。


気になってインターハイ歴代出場校リスト(*)を調べてみると、関東勢の団体戦優勝は平成元(1989)年の神奈川県代表鶴嶺高校以来ありません。

(*)参考/ソフトテニス・マガジン9月号別冊付録


これまでも何度か木更津総合の試合を見ていて非常にうまい選手が揃っていると感じていたので、私個人としては関東勢の優勝を見たい気持ちもありました。

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この試合のハイライトは、なんといっても3番勝負。

ゲームカウント2-1で木更津総合リードからの第4ゲーム。

勝利への執念がぶつかり合ったこのゲームは、互いにまったく譲らず「20-18」という今まで聞いたこともないようなポイントで決着し、羽黒がゲームカウント2-2に追いつきます。

そこから次第に流れは羽黒へ。


終わってみればゲームカウント4-2で羽黒の勝利でしたが、技術的にも精神的にも五分と五分の素晴らしい戦いでした。

ソフトテニスに引き分けはありませんが、あったら引き分けにしたいくらい甲乙つけがたかったです。

ここ1本を取っていれば木更津総合が勝っていたという場面が何度もありました。

準決勝
羽黒(山形) vs 木更津総合(千葉)
村田・齋藤(大) 4-1 平田・高杉
金子・佐藤   1-4 山下・中坂
根本・齋藤(龍) 4-2 土佐・伊藤


たった1ポイントが勝敗を分ける、筋書きのないドラマに何度も鳥肌が立ちました。


敗れはしたものの、羽黒から1勝をもぎとった木更津総合の山下選手はなんと1年生だそうです。

来年のインターハイでの活躍がはやくも楽しみです。



それにしても今大会での羽黒の選手たちの快進撃は凄まじいものでした。

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村田・齋藤(大樹)ペア


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金子・佐藤ペア


団体戦に出場した3ペアともに遜色がなく、どのペアも大将を張れる実力者揃いです。

たとえ1本負けても他のペアが挽回できる総合力があります。

トーナメントを駆け上がるなかでは何度も苦しい場面がありましたが、その都度チーム力でしぶとくしのいでいった、ここ一番での精神的なタフさには驚かされました。


なかでも、大事な3番勝負をことごとくものにしてきたハイスクール・ジャパンカップ2位の根本・齋藤ペア。

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根本・齋藤(龍二)ペア


躍進の原動力となった2年生ペアが、何度も相手のマッチポイントをしのいで果敢に勝負する姿には感動しました。



日が暮れかけた頃に始まった決勝戦。

頂点を決める試合の相手は、昨年度インハイ団体優勝の東北高校。

南東北総体の男子団体決勝は、地元東北勢同士の対決となりました。

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東北は前日の個人戦でも北野・鈴木ペアが3位、水木・福田ペア、林・新沼ペアがともにベスト16と安定の強さを発揮しています。

2年生が主体のチームながら、並み居る強豪を倒して今年も決勝まで勝ち上がってきました。

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インハイ連覇に向けた前年度王者の意地も随所に見られ、決勝戦も一進一退の白熱した展開がつづきます。


準々決勝、準決勝と大事な3番勝負をものにしてきた根本・齋藤ペアがここでも勝負強さを発揮して、羽黒初優勝の歓喜の瞬間が訪れます。

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決勝
羽黒(山形) vs 東北(宮城)
村田・齋藤(大) 2-4 水木・福田
金子・佐藤   4-3 北野・鈴木
根本・齋藤(龍) 4-3 林・新沼


全国高等学校総合体育大会(インターハイ)ソフトテニス競技 試合結果


ソフトテニスに青春を捧げる高校生たちが繰り広げる夢舞台。

たくさんの感動をいただきました。


ここで勝った喜びも、負けた悔しさも、無駄なものは一つもありません。

若い選手たちの戦いは、これから先にもずっと続いていくはずです。



少々気が早いのですが、来年のインターハイ、ソフトテニス競技は三重県で開催されます。

2018 彩る感動 東海総体


来年の主役を目指して、新しいドラマがもう各地で始まっているはずです。



全国高等学校総合体育大会(インターハイ) 注目動画

男子団体戦/決勝・第3対戦
根本・齋藤(龍)ペア(羽黒) 対 林・新沼ペア(東北)




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source : ソフトテニス・オンラインBlog