UCSB 小柳裕庸(こやなぎひろのり)@ 2018 California Championships
12月の半ば、ちょうどプロ選手がオフを終えてシーズン前の調整に入り出す時期にこの大会、カリフォルニア選手権がロサンゼルスで開かれました。
この大会の特徴は何と言っても、タイトルに書いたように、ボクらのような一般選手がトッププロと同じドローに入り対戦できるチャンスがある!ということ。単発エキシビジョンやチャリティーイベントではなく、列記としたトーナメントです。賞金総額も$30kと、ワールドテニスツアー(旧フューチャーズ)の15kや25kより高いです。
参加選手のランキングトップは地元テイラー・フリッツ#49でした。(多分主催者側も)感覚的にトップはサム・クエリー#51だったと思うんですが、微妙にランキングでテイラーに抜かれましたね(笑)。でも、そんながっつりATPレベルの選手が出場してるんです。
その他(多分)結果的には出場しませんでしたが、出場者リストには地元スティーブ・ジョンソン#33や、身長210cmを超える巨大なライリー・オペルカ#99、元トッププロのトミー・ハースやマーディ・フィッシュも入っていました。(観戦中マーディ・フィッシュは横にいたと思いますが、似てる人だったかも。)
そんな大会(の同じドロー)にボクらも出場できるんです。
ただ、ご想像はついていると思いますが、もちろんトッププロにはシード(のようなもの)がつくので、ボクらが当たるにはかなり神がかり的に勝ち抜かないといけないですけどね(笑)
この大会のドローは、UTR(Universal Tennis Rating)という世界標準レーティングに基づいて作成されます。
ボクらのようなアメリカの一般プレーヤーで普段使われるのはNTRPというUSTA主体のレーティングですが、それだと、海外の選手との比較が難しいということから、世界標準としてできたのがこのUTRです。上はトッププロの16&15から学生選手、ジュニア選手、一般を含めて下は1まであります。
USTAのデータ(ボクらの戦歴)は全て取り込まれているので、あえてUTRのトーナメントに出場していなくても自然にボクらもUTRのレーティングがつきます。UTRはオラクルがサポートしているので、この辺りのスムーズさは流石です。
そしてもう一つのUTRの特徴は、男女が同じ物差しを共有するということです。NTRPはあくまで男女別なので、各性別のなかでどれぐらい強いかでレーティングが出ますが、UTRの場合男女一緒なので、レーティングが同じなら、実際試合をして同じぐらいの実力ということになります。
この大会はそんなUTRに基づいた10近くの予選ドローからできています。つまり一番下の予選の出場者(多分トーナメント初心者一般プレーヤー)は自分の予選をある程度勝ち抜くと次のレベルの予選ドローに上がり、同じようにそれがなんども繰り返されていきます。ボクらのような普段大会に出ているプレーヤーは少しだけ上の予選からの出場になります。
なのでプロと対戦できると言っても現実の話としては、ボクらが出場すると先ずは一般プレーヤーや一般ジュニア(中学生や高校生)と対戦し、頑張ればトップジュニア辺りに当たって、なんとかそこで無茶苦茶頑張ると大学選手と当たり始めるという感じで、プロはそのまた先、トッププロに当たるには普通のプロを倒さないと当たれません(笑)。
ジュニア選手といってもここカリフォルニアでは一般ジュニアでもかなり強いですし、トップジュニアになってくれば数年後にプロ転向を見据えているような選手です。大学選手ともなれば、プロか大学で迷ったような選手達が揃っている訳なので、それはそれはかなりな出場選手層なわけです。
トッププロが出場することで、シーズン直前の試合勘戻しや、もちろん賞金が欲しいプロも出ますし、プロを見据える大学生やトップジュニア達がでてくるので、普段のUSTAのオープンにくらべるとかなりな出場者層の厚さになります。
姿は目にしませんでしたが、ワイルかららしき日本人ジュニアの名前も沢山ありました。サンタバーバラでUCSBの選手をしている小柳裕庸(こやなぎひろのり)選手も出場していました。
12月&1月は雨が降るロサンゼルス。大会の時も雲行きが怪しく、温度差でコートが濡れてしまい雨じゃなくてもプレーできなかったり、実際雨が降ったりで、スケジュールが遅れ気味でした。それもあって、本戦以外はファースト4のフォーマットになりました。
現在オーストラリアで開かれているホップマンカップでも採用されていますね。セットが4ゲーム先取、3ゲームオールで5ポイントタイブレークです。タイブレークのサーブが、通常最初1本打って交代するのが、なぜか2、2、2、最後が3本なのでトッププロも混乱してますね。この大会でも選手達が混乱していました。中には「なんで最後だけサーブが3本なんだよ!!不公平だろ!」って吠えてる選手もいました(笑)。
大会は結局、テイラー・フリッツがブランドン・ホルトに準々決勝で破れ、そのブランドンホルトを倒したオレゴン大学のトーマス・ローレン選手が決勝でサム・クエリーに当たり、サムの優勝で終わりました。
普段、大会のオープンカテゴリはあるとはいえ、出てくる(出られる)選手は限られています。そんな中、こんな風に、本当のトッププロやプロ、大学生、ジュニア、そして我々一般が一堂に集まってプレーできる大会は貴重で、楽しいです。それぞれ皆が、色んな貴重体験ができますし。頻繁には必要ないですが、定期的にこんな大会が開かれると最高ですね!(N)
大会が開かれたのはLA南端のジャッククレーマークラブ。ここがセンターコート。
センターコートをクラブハウス側から。
予選あたりは一般の観客より、関係者や大学のコーチ陣だらけ。
優秀なジュニアをチェックしたり、他校の選手を偵察するには最適です。
クラブハウスの入り口です。大会のバナーがでてますね。建物は結構古くて地味です。ゴルフ側はきらびやかなんですけどね(笑)。
2019の秋からUCSBに入る予定のケント・ハンター選手。小柳選手曰く、凄いらしいです(笑)。本来この冬からチームに加わる(編入)予定だったのが、必要単位が足りず秋になったんだとか。アメリカですね。それにしても良い体です。プレーもパワフルでした。
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source : アメリカ・テニス日記 from ロサンゼルス・カリフォルニア