アメリカでテニスをしていて、すごく良いと思える環境の一つが USTA(全米テニス協会)の存在です。ここがジュニアからアダルト、リーグからトーナメントまで全米ほぼ全ての大会、そして情報を統括しています。もちろん全米オープンやプロの育成、車椅子テニスも含めてアメリカのテニス全般をしっかりオーガナイズしています。
その中でも、ボクら大人のレクリエーショナルプレーヤー(クラブプレーヤーと呼ばれることも多い)が楽しんでいるのは、基本1年中あるUSTAアダルトリーグです。もちろんUSTAの元、全米で同じように行われています。
これがものすごくうまくできていてかなり楽しいです。日本にもこんなリーグがあったらかなりテニス界がもっと盛り上がるのに、といつも思います。アメリカから見ていると日本のテニス界はプロ/ジュニア/アマチュア、また地域やテニススクール系列等々、色んな小さな隔たりが沢山あって、それがテニス界が全体として盛り上がるのに障害になってる気がします。
アメリカと全く同じにする必要はありませんが、大きな傘とストラクチャーの元、全国どこへ行っても同じことをしていると、常に横との比較もできる(される)し繋がりもできます。常識やルールも自ずとズレが少なくなります。同じ物差しでの勝敗による優劣が明確につくので、妙な見栄、縄張りや派閥も少なくなりますし。引っ越しなどで環境が変わってもすぐに新しい地でテニスを楽しめます。
そんなUSTAアダルトリーグがどんな風になっているかもう少し詳しくご紹介します。
1年3(+1)シーズン
先ず1年が大きく3シーズンに別れています。年始から3月いっぱまでがミックスの冬シーズン。4月から6月までが男女別シングルス+ダブルスの春シーズン。夏はプレーヤーが個人イベントが多い時期なので基本お休み。9月から11月までが男女別ダブルスのみの秋シーズンです。もちろんそのシーズン中での通常マッチは土or日曜日の開催です。
2019年年始の雨季はここ20年で一番雨が多かったと思うほど特異で、多くの試合がリスケジュールされました。その結果通常より少しシーズンが長くなりましたが、普段ここLAでは殆ど雨が降ることがないので、試合のスケジュールやシーズンが大きく変わることはありません。
他の地域では多少リスケがでて、おしりが押したりすることはあるかもしれませんね。
その3シーズンを基本にしつつ、下で説明する年齢別が冬のミックスシーズンと重なって開かれたり、トライレベルと呼ばれるリーグや年齢別ミックスが夏の7−8月に開かれたりもしています。1年中何かしらのリーグが行われていると言う事ですね。正直自分が参加していないと、いつなにが開催されているのかわからなくなる程です。
NTRPレーティング別+年齢
リーグはNTRPレーティング別に行われます。実質存在するのが、ミックスでは(ペアのレーティング和が)7.0、8.0、9.0、春のS+Dや秋のDでは 3.5, 4.0, 4.5, 5.0+ です。NTRPレーティング自体に関しては6年前に記事を書きましたのでそちらで。
5.0+になると、プレーヤーは若い元大学選手やコーチが中心になってくるので中々の高レベルです。ただそのレベルになると遊びでリーグに出る人が少なくなり、テニスが盛んなここLAでも数チームしかできなく、いつも同じチームとやるだけで色んな相手と試合を楽しむには微妙になってしまいます。そのためなんとかレーティングが 5.0に上がらないように調整している人もいますね(笑)
調整とはいえ、あまりにも実際のレーティングとプレーがかけ離れていると、周りがコーディネーターやUSTAに連絡してディスクオリファイ(失格)となってしまうこともあります。そうなるとそのリーグ期間でその人の戦った全ての試合が負けになり、結果チームの勝敗にも影響してきますので、ある程度は自浄作用が働きます。グレーな中での調整ですね(笑)。
それでもチームとしては次のレーティングに上がらないギリギリ(つまり強い)のプレーヤーがいると助かるので、レーティング内で上の方のプレーヤーは色んなチームからお声がかかるということです(笑)。
レーティングは自己申請の初年度を抜いてはその1年の戦績を見て12月にコンピューターが翌年のレーティングを判断します。4.5でプレーしていたのにあまりに余裕のスコアで勝ち続けると12月に5.0になってしまいますがアピールダウン(下げてもらうよう申請)して4.5に留まるというプレーヤーもいます。怪我や、女性なら出産なんていう場合もありますからね。逆に(あくまでボクから見て、ほぼ女性ですが、、)、プライドの関係か「私はもっと上のレートだ」とアピールアップする人もいるようです。周りから見れば分かるのであんまり特はしなさそうですけど。。
またアダルトリーグは基本年齢制限が18+ ですが、40+や55+の年齢別もあったり、また最近は逆に若者の参加を増やすために若者だけの18-39ができたりと、USTA(もしかするとこの程度の判断はUSTA南カリフォルニア)も柔軟に対応しています。
まだまだ続きますが、今回はこのへんで(あとで書き直したり、加筆の可能性あります)。
次回のその2はリーグの地域と構造、マッチ形式、対戦チーム数、試合フォーマット、その他の予定です。
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source : アメリカ・テニス日記 from ロサンゼルス・カリフォルニア