2015 Miami (Masters1000)
Quarterfinal
John Isner[22] def. Kei Nishikori[4], 6-4,6-3
IWでのロペス戦とも似た、最も恐れていた展開になりストレートで敗れてしまいました。
イズナーが絶好調でしたが、もっとプレーでプレッシャーを掛けることに成功していればここまで調子づかせることはなかったと思います。
ポイントは2ndサーブへの対応とフォアハンド対策でした。
イズナーの2ndサーブのポイント獲得率はなんと81%で、1stサーブのポイント獲得率76%をも上回っていました。
サーブそのものも強烈でしたが、リターンを返したあとのフォアハンド攻撃が強く、錦織は対応しきれませんでした。
それでも自分のサービスキープをしっかり続ければ問題なかったのですが、今日のイズナーのフォアハンドはすさまじく、序盤ではキープこそできていたものの、際どい球がことごとくエースとして入ってきたので嫌な感じが漂っていました。
やたらと早いタイミングから角度のついた球が入ってくるので錦織もお手上げでした。
しかも、フォアに回りこみたい気持ちからバックハンド寄りにポジションを取るイズナーに対し、錦織がバックハンドのクロスを中心に組み立てるものですから、そのままフォアに回りこまれて強打を許していたので次の対戦では対策を練って欲しいところです。
ラオニッチと試合するときもまったく同じ展開がしばしば見られます。
この場合はクロスを打つならもっと深く、あるいは強く打つ必要がありますが、ストレートを増やすことも効果的だと思います。
エース狙いのストレートは必ずしも必要ではなくて(これは結構ミスしている)、スピン系で深く押しこむようなストレートで安全に、かつ効果的にオープンスペースを作ることでイズナーのバックハンドを攻めれるようになると思うのですが。
フォアハンドでウィナーを取られすぎたこともあり、イズナーのウィナー総数は33本にも達しました。うち13本はサービスですから20本がストロークとネットプレーのエース・・・。フォアハンドはそのうち12本です。すごいですね。
対して錦織はわずか5本(1本はサービス)。ストロークを武器とする錦織にとってはこれは少なすぎる数字でしょう。
結局、お互いの武器(サービスとストローク)のぶつけ合いで負け、さらにフォアハンドの決定力の分、差が上乗せされてしまったのでこのスコアになってしまった感じです。
とは言え、キープを続けることができれば勝負になったと思いますのでやはり、サービスゲームが(しかも、特定のサービスゲームが)問題だったと考えます。ブレイクポイントでネットインなどの不運もありましたが、その前にブレイクポイントに持っていかれることが問題でしょう。
サービスエースが僅か1本にとどまったことも要因で、フリーポイントがあまりないのでフォアハンドの脅威にまともに曝されてしまった感じです。
先にブレイクできたことによってイズナーのプレーがますます勢いづいてしまいましたので、やはりビッグサーバーとの対戦ではキープが絶対ですね。
まさにイズナーの、ビッグサーバーのやりたい試合をされてしまった、そんな感じの試合でした。
期待が高かった分、残念な敗戦ですが、この敗戦で分かることは、いくらそれまでの試合で圧勝しても次の試合で勝てる保証などないということ。
相手があるスポーツですから当然ですね。
また、ATPはやはり一筋縄でいかない世界であるということ。強い選手がゴロゴロいて、トップ選手でも安泰ではない。ジョコビッチもドルゴポロフに負けかけました。「ATPは勝ったり負けたりが基本」はこのブログでは定番の文句です。
4回戦までの圧勝は圧勝で喜ぶべきですが、上位ラウンドで勝つこと、良いプレーをすることはそれより大事だから浮かれすぎてもいけないし、その一方ですべての試合で勝つこともできないので負けたからと言ってすぐ「錦織はだめだ」「メンタルが弱い」などと決め付けるのもナンセンスです。
今年に入って課題もあるし評価出来る部分もあります。世界一位を目指す上では物足りない部分もあるし、トップ10選手として十分頑張っていると見ることもできます。すべてはどういう視点で見るかによりますので、多面的な考え方をしたいところです。
(5位ですが、ポイント的、実力的に10位くらいまで団子状態と見ますのでトップ10選手という表現をしています)
私は半年くらいのスパンで見ていますので、ロペスに負け、イズナーに負けて残念に思う反面、ファイナルズ準決勝進出や楽天優勝、メンフィス優勝なども同時に考慮しないと不公平だと思っていますし、そもそもUSオープン準優勝のおかげでまだお釣りがくるくらいに思っています。
今回もベスト8までは来ていますし・・・。
今後2大会くらいこのような負けが続いたら多分、心配しはじめると思いますがまだまだだと思っています。
この段階で見限っていては、次に活躍した時にどのような反応すればいいか分かりませんよw
これまでもそうであったように、フラストレーションが続く展開から突然の大活躍があるものです。
イズナーだって今年は負けが込んでいたにも関わらず、今大会はディミトロフ、ラオニッチ、錦織と連続で食ってしまう大活躍。
この活躍は正当に評価されるべきでしょう。
マスターズ2連戦で4回戦、ベスト8は満足もできませんが悪くもない、まずは無難にクリアという感じだと思います。
上も見なければいけませんが同時に下も見なければいけませんし、心配しなくてもそのうち活躍しますから、楽しみにその時を待ちましょう。
source : 錦織圭を鼻血が出るまで応援し続けるブログ