2016年2月6日土曜日

ラケット重量について

錦織圭 バックハンドストローク スライス


前回の続きです。

ウィルソンからニューラケット、「BURN 95J」が発売されます。

別名「錦織スペック」とも呼ばれるラケットだそうで、錦織選手が10代の頃使用していたラケットとほぼ同スペックというのが特徴。

こんなこと言われるとつい買いたくなってしまいますが、皆さんに注目してもらいたいのは文字通りそのスペック。

細かい部分は今回端折りますが、ラケット重量が289gなんです。

「あーけっこう軽いの使ってたんだー」

と軽くスルーしてしまいそうですが、特筆すべきは15~21歳ぐらいまでこの重量のラケットで戦っていたということ。(公に出ている情報ではです)

もっと低年齢の頃になると、

10歳前後→257g前後

11歳前後→260g前後

12歳前後→275g前後

13・14歳前後→278g前後

だそうです。

この数字を見て、意外に軽いなと思う方は少なくないと思います。

そうなんです、意外に軽いんです。

(もちろんバランスの問題もありますし、フレームの厚さやラケットの長さの問題もありますが、今回は重量のみにスポットを当てます)

テニスショップなどにラケットを見に行くと、上級モデルになるにつれてラケット重量が重くなっているのが分かります。

なので、

「軽いラケット=初心者用」
「重いラケット=上級者用」

というイメージを持ってしまいがちですし、実際そういった面もあるのは事実ですが、本当はそういった言葉に騙されず、

「今の自分に合った重量のラケット」
「今より簡単にテニスが出来るようになるラケット」

を探すべきです。

アザレンカ ビッグラケット


重いラケットを使っている=上級者っぽい=ギリ使えてる、だから私は上手い

こう思いたいのもよく分かります。


私もありました。

高校時代、ろくにラリーも出来ないくせにプレステージクラシック使ってました。

しかもミッドサイズを。

フェイスサイズ92インチ、重さ325g、ストリングパターン18×20。

今この頃の自分に声を掛けることが出来るとしたら、

「100万光年早いわ」

です。

ラケットのカラーリングといい、プレステージ独特のグロメットといい、他のラケットカバーとは一線を画すスエード調のラケットカバーといい、元グリップがレザーだったりと、ガキンチョの私でも欲しくなるラケットで、しかも上級者モデルですからなおさら背伸びしてでも欲しくなるラケットでした。

今思えば、中級レベルぐらいの扱いやすいラケットをこの頃使っていればどうなったかなとも思います。


話が逸れましたが、一般の方でもジュニアでも重いラケットを使うことによる優越感といいますか、ステータス的な面といいますか、俺(私)は人と違うんだぜ~感を出したいといいますか、そんな思いから重いラケットを使う方は少なくないと思います。

実際私がそうでしたから 笑

そしてジュニア、特に低年齢のジュニアの場合は本人というよりも親御さんの影響が大きいように思います。

時々練習に明らかにオーバースペックなラケットを持ってくる子がいて、聞いてみると大抵の場合「お父さんにこれ使えって言われた」というような言葉が出てきます。

もしかしたらそのラケットが本当にその子に合ってる可能性もありますが、今まで見てきたなかでは十中八九そのラケットを扱えていません。

重たいラケットや難しいラケットを使いたい気持ち、また使わせたい気持ちは分からなくもないですが、前述の錦織選手が辿ってきたラケットの重量の移り変わりというのは一考に値すると思います。





source : テニスとコーチング