2015年3月19日木曜日

錦織、ロペスの術中にはまる(2015インディアンウェルズ4回戦)

2015 Indian Wells (Masters 1000)

4th Round

Feliciano Lopez def. Kei Nishikori[5], 6-4,7-6(2)


錦織、今日は良くなかったです。

でも、年間70〜80試合もやってればこういう試合も少しは出る。大事なのは、何回も繰り返さないことです。


オープニングゲームでいきなりブレイクのチャンスを迎えたものの、それを活かせず。

それが悔やまれる展開を恐れていましたがその通りになってしまいました。

プロの試合では往々にしてあることです。


4-5錦織サーブからミスが3本。最後はロペスにきっちりラリーを組み立てられてネットに出られてしまいました。


ストローク戦で錦織が優位に立つのは戦前の予想もそうでしたし、実際にそうなりましたが、打ち抜けませんでしたし、ライン際を狙ったボールのミスが多かった。ロペスの注文通りの試合でした。


過去のロペスとの対戦時にも毎回書いていますが、私のプレースタイルが劣化ロペスなのでロペスの戦略はよく分かります。ストローク戦ではゆるい球で粘り、ミスを誘いつつじっくりと攻め球を見極める作戦。

いやらしいテニスではありますが、これは錦織にとってはクリア済みの課題だったはず。ロペスは彼のベストのテニスをしましたが、プレースタイル自体は彼がいつもやっているスタイル。錦織の自滅だったと言える試合でしょう。


たとえランキングが下の選手に対しても100%は勝つことはできないし、逆転の錦織と言えどもすべての逆境を跳ね返すことは無理です。

まずは逆境を迎えないことが昔も、今も最も重要なことです。


ここで負けたときの気持ちの持ち方について話させていただきます(新しいことではなく、折にふれて言ってることではありますが)。


まず、「いつもの錦織なら・・・」と思ってしまいがちですが、その「いつもの錦織」は好調時の錦織ではないでしょうか。

錦織にも好調不調の並があります。

「いつもの錦織」は不調も含めた平均的な錦織を想定すべきです。

今日の錦織は不調な錦織だったと思いますが、「どうしちゃったの?」というレベルでもありません。


次に、人は直近の傾向が今後も続くと思ってしまう生き物なので、勝ちが続くと「さあ世界No.1だ!」となりますし、1回負けると「ああ、まだトップは遠いんだな」と思ってしまいがちですが、1試合だけでそんなにガラッと状況が変わってしまうことはありません。


もちろん、大事な試合というのはあります。同じ対戦相手でも、ATP250で当たるのとグランドスラムで当たるのは大きな違いがあります。

ですが、その違いは得られるポイントに反映されています。ATPでは重要な大会には大きなポイントが割り当てられています。


すなわち、ランキングには「大きい大会で活躍する選手を高いランキングに配置する」という思想が盛り込まれているのです。


だから、基本的にランキングというものは実力を測る上で一定以上の信頼性があります。錦織は世界ランキング5位です。強いんです。

今日ロペスに負けたからロペスのすぐ下の13位に配置されるってわけではありません。今からもう1試合やったら今度は勝つかもしれません。


そのように考え、少々負けたからと言って今年に入ってからの安定感、そして昨年後半からの勝率等考えると、錦織の今後に(故障を除いて)不安感を抱く必要性など何もないということが分かります。


マスコミの過剰な煽りによって期待先行となりがちな邦人アスリートが多い中(アスリートに罪はない)、錦織は数少ない、「期待に応える実力のある」選手です。何も不安になることはありません。


ただし個々の試合の評価は別です。私は今日の試合については今日の試合限定で酷評します。反面、錦織の最近の成績、今後の展望に対してはネガティブな考えはゼロです。


今日の試合は最初そんなに悪くなかったと思いますが、つなぐのか打つのかの選択を少し間違った、あるいは変更が遅すぎたように思います。

それによりロペスを調子づかせてしまいました。つないでもストロークで優位に立つことができるという計算だったと思いますしそれは間違ってないですが、ウィナーも減らしてしまう結果となった。でもエラーはそれほど減らなかったということで、ウィナー16本、ミス32本という結果になったと思います。

ミスが多くてもウィナーが多ければ問題ないので、要はバランスの問題です。今、ロソルvsベルディヒの試合を見ていますが、ロソルが攻撃的に見えますのでやはり今日の錦織は攻撃力が足りなかったし、攻撃した時のミスが多めだったのだと思います。


長々と書いてしまいましたが、去年も年間14回ほど負けていて、今年もあと10回前後は負けると思いますので我々も耐性を付けて行きましょうね。

その5倍ほど勝ちますので勝った試合もしっかり覚えておけばそんなに精神的にもがっくりこないはず。

当の錦織は今、悔しさいっぱいだと思いますが次の大会までにはケロっとしてますので我々もそんな感じで行きましょう。


それにしてもこの時間の観戦&執筆きついですw もう支度の時間だ。




source : 錦織圭を鼻血が出るまで応援し続けるブログ