2015年11月15日日曜日

ツアーファイナルズ2015 展望予想

年間成績上位8名のみが出場できるツアーファイナルズ。
獲得できるポイントも最高で1500ポイントと、グランドスラムに次ぐレベルにあることは間違いないでしょう。
さらには破格の賞金金額、会場の独特な雰囲気、選手に対する様々な優遇も他の大会とは一線を画しており、観客だけでなく選手からも高い評価を得ています。

大会はまず8人の選手を2つのグループに分け、「ラウンドロビン」と呼ばれる総当たりのリーグ戦を行います。
そして各リーグの上位2名、計4名が決勝トーナメントに進出します。

選手8名を2つのグループに分ける際は、ランキング1位と2位、3位と4位、5位と6位、7位と8位の選手をそれぞれランダムに振り分けます。今年のリーグ表を見てみましょう。

グループ スタン・スミス

[1]ジョコビッチ
[3]フェデラー
[6]ベルディヒ
[8]錦織

グループ イリ・ナスターゼ

[2]マレー
[4]ワウリンカ
[5]ナダル
[7]フェレール

昨年までは「グループ A」及び「グループ B」という呼び名でしたが、今年からそれぞれ「グループ スタン・スミス」及び「グループ イリ・ナスターゼ」に改められました。
スタン・スミスは1970年大会の優勝者、イリ・ナスターゼは1971年~1973年と1975年の4大会の優勝者です。

[ ]内の数字がランキング順位で、1位のジョコビッチと2位のマレーが別々のグループに入っているのと同様に、8位の錦織も7位のフェレールとは別のグループに振り分けられています。

各リーグで総当たり戦を行いそれぞれの上位2名を決定するのですが、その主な基準は以下の通りです。

・勝利数の多い上位2名

・勝利数で並ぶ選手が2名の場合は直接対決で勝利したほうが優先
※今年のグループ スタン・スミスを例に
 ジョコビッチ3勝、フェデラー1勝2敗、錦織1勝2敗、ベルディヒ0勝3敗だった場合、勝利数順に考えてジョコビッチが1位通過。2位通過は1勝2敗で並ぶフェデラーと錦織のうち、直接対決で勝利した方(フェデラー 対 錦織で錦織が勝利していたら錦織)。

・3名の勝利数が並んだ場合
  (i)  セット獲得率の高い順
 それでも決まらない場合は
  (ii) ゲーム獲得率の高い順

細かい基準はまだまだあるのですが、基本的にはこのような基準で決めていくと考えて問題ないと思います。
結論としては、「勝つならストレートで、負けるならフルセットで」が原則です(勝利数で並んだ際にセット獲得率とゲーム獲得率で優位に立てる)。 
 

ファイナルズについての基本的な解説はこの程度にしておいて、今年の展望予想に移ります。
各グループから勝ち上がるそれぞれ上位2名の予想を挙げておきます。


グループ スタン・スミス

1位通過 ジョコビッチ
2位通過 フェデラー

グループ イリ・ナスターゼ

1位通過 ワウリンカ
2位通過 ナダル


まずはスタン・スミスの詳細から
 
やはりジョコビッチは最有力でしょう。2012年大会から3連覇中で相性も良く、怪我で失速した2011年と違って今年はインドアシーズンに入っても好調を維持しています。
次いで有力なのがフェデラー。ファイナルズの舞台には滅法強く、2010年以降は絶不調だった2013年も含めて全てグループリーグを突破しています。
この2人が抜きんでた存在であることは間違いありませんが、ベルディヒや錦織にチャンスがないわけではありません。

ベルディヒは前哨戦のパリでジョコビッチ相手に2連続タイブレークの末惜敗しました。さらに、シーズン序盤のドバイ、クレーのモンテカルロではともにフルセットにもつれていて、実はジョコビッチが圧倒しているわけではないのです。あとは勝てるかどうかという大きな壁があるのですが、ジョコビッチとて油断は禁物です。

そして錦織は昨年の反省を活かせるかどうか。昨年はサービスが絶不調だったことが最後まで足を引っ張りました。会場の雰囲気(特にコート真上に吊り下げられたチャレンジ用の巨大モニター)に慣れた今年は改善が見込めますが、最終的には怪我の回復状況次第でしょうか。
特に今年初対戦となるフェデラーに対しては、完全に主導権を握られた昨年の状況を繰り返さずに勝負できるか注目ですし、ジョコビッチには昨年の第2セットのような驚異的な攻めをもう一度見せてほしいものです。
厳しいグループに入った以上、錦織が「勝てるか」ではなく「どこまでやれるか」に注目しましょう。 
 

グループ イリ・ナスターゼの詳細は後ほど追記します。 


source : テニスブログ Hawk-Eye