2016年4月10日日曜日

ATP公式サイト解説 ランキングページ編② ~NEXT BESTとは何か~

前回の記事はこちらから。

いよいよ「NEXT BEST」の説明に入りますが、前回までの内容が理解できていることを前提としていますので注意してください。

前回と同じように2016年4月4日付けのランキングで解説していきます。

まずはエントリーランキングのページへ。

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今回は赤枠で囲ったソックを例に考えます。
ソックの「NEXT BEST」は90ポイントです。

前回の手順でソックのポイント内訳表に移ります。 

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まずはエントリーランキングが過去1年間の上位18大会での獲得ポイントをもとに決められていることを思い出してください。
ソックは過去1年間で23大会に出場しているので、この表のうち、実際にポイントの計算に使われているのは赤枠で囲った大会(合計18大会であることを確かめてください)だけです。
赤枠で囲った大会のポイント(一番上のRoland Garros:180ポイントから一番下のStockholm:150ポイントまで) を全て足すと1525ポイントとなり、これは先ほどの画像にあったソックのエントリーランキングポイントと一致します。
これで、青枠で囲った「NON-COUNTABLE TOURNAMENTS」のポイントがランキングポイントの計算には使われていないことが確認できると思います。

次に、黒枠で囲った昨年のヒューストン(Houston)のポイントに注目して下さい。
「DROP DATE」が2016.4.11で、今週250ポイント失効することが分かります。

昨年のヒューストンが失効した後のポイント内訳がどのようになるのかイメージしやすくするために、実際に緑線で消してみました。

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これまでは昨年のヒューストンを上位18大会の一つとしていましたから、これでは上位17大会となってしまいます。
つまり、残り1大会を追加しなければならないのですが、この場合の候補は2つあります。

1つはソックが今週出場しているヒューストン(2016年大会)で、もう1つはこれまで「NON-COUNTABLE TOURNAMENTS」として上位18大会には含まれなかった大会の中で一番ポイントが多い昨年のNewport(黒枠で囲った大会)です。

このどちらを上位18大会にするかは今週のヒューストンの結果次第です。
今週のヒューストンで昨年のNewport(90ポイント)を超えるポイントを獲得すればそのままヒューストンが上位18大会になります。

逆に、今週のヒューストンでの獲得ポイントが90ポイントを下回れば、Newportが上位18大会になります。

ここでカギになるのが「90ポイント」であることに気付きましたか?
これこそが最初に確認した「NEXT BEST」の90ポイントなのです。

これだけだと「NEXT BEST」の必要性が感じられませんが、次週更新のランキングポイントを計算するには非常に重要なのです。

例えば、現在1525ポイントのソックが来週何ポイントであるかを計算してみるとします。
少し難しい話になりますが興味のある方は頑張ってついてきてください。

まずは失効する250ポイントを引いて1525-250=1275 ポイントとなります。これが先ほど説明した上位17大会の状態です。

次に、今週のヒューストンで90ポイント以上(今回は150ポイントと仮定します)獲得したとすると、そのまま足して来週のランキングポイントは 1275+150=1425 ポイントとなります。

今度は、今週のヒューストンでの獲得ポイントが90ポイント未満(今回は10ポイントと仮定します)だったとします。
この場合はNEXT BESTの90ポイント(すなわちNewportの90ポイント)を足して 1275+90=1365 ポイントとなります。
今週のヒューストンでの獲得ポイントが10ポイントだったからといって、1275+10=1285 ポイントとしてはいけないのです。

このNEXT BESTが絡む計算は、マスターズでありながら出場義務の無いモンテカルロ・マスターズでも必要になってきます。

モンテカルロのポイント試算はこちらから見られますので気になる方はどうぞ。
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source : テニスブログ Hawk-Eye